今回のブログは冬の過ごし方にも通ずる新陳代謝とバレエについての考察です。
長いので2回に分けて掲載しますので、ご興味ある方はお付き合いください。
だんだん寒くなるシーズンにバレエが上手くなるためには、まず上手くなれるようにトレーニングできる仕組みを作ることから始め他方が効率的な上達が図れます。
細かく分析したりメニューを紹介するスペースがないので、概要を記したので一読いただければ幸いです。
冬季の生理的背景(ざっくりと)
- 外気温が低いと末梢血管が収縮しやすく、筋温が下がる。関節・筋の粘性が上がる(筋肉が硬く感じる)。
- 日照時間が短くなると体内時計・睡眠・気分に影響しやすく、日常の非運動消費も下がりがちになる。
- 体は熱を作る方向に働き、褐色脂肪組織(BAT)やシバリング(小刻みな震え)による熱産生が増える。しかし、筋温が低いとパフォーマンスと代謝効率はガクッと落ちる。
つまり私たちが体感する現象そのものです。
では、バレエレッスンが冬の新陳代謝に及ぼす主な効果はどうでしょう。
即時効果として(1回のレッスン中)
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筋温上昇が代謝率を向上させる:バーからセンターにかけて心拍数上昇し酸素摂取量が上がり、糖と脂質の酸化が促進する。
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インスリン感受性の一時的改善:レッスン後4–24時間は血糖取り込みがよくなる。
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交感神経トーン上昇:体熱産生と脂質動員が促進。ただし冷えた状態で急に激しく動くとケガのリスクが上がるので注意。
「脂質動員」とは、空腹時や運動時などで、エネルギーが不足した際に脂肪細胞に蓄えられている脂肪が分解されて血中に放出される現象です。
継続した場合の効果(数週間~数ヶ月継続)
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除脂肪量アップ・筋酸化能(筋肉が酸素を使ってエネルギーを再合成する能力)アップ:中殿筋・ハムストリングス・下腿・体幹の持久系に影響が大きく安静時の代謝も底上げされます。
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ミトコンドリア機能・毛細血管化向上:脂質代謝の比率が上がり、冬太りを抑制する効果がある。
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姿勢・呼吸機能改善:横隔膜&肋間筋を大きく使うよう意識すると、安静時のエネルギー効率も改善する。
代謝の向上は冬太りの防止にも役立ちます。
ただし、レッスンをなんとなくこなすのではなく、一生懸命やって心拍数、筋温度を上げることが大事ですからね。
その日の体調のマックスを目指して頑張ることが明日につながるのです。
それでは冬ならではの“出力を最大化するコツ”は何でしょうか
1. ウォームアップを長めに(合計15–20分)
- 軽い全身リズム(屈伸・スキップ・カーフレイズ)
- ダイナミックモビリティ(ラジオ体操、股関節サークル、脊柱ロール、肩甲骨等)で可動域アップさせる。
- 皮膚温だけでなく筋温を上げるのが目的。運動が主役。
ジュニア子たちには何かゲームとかを取り入れるのもいいですね。
2. 強度設計(冬の代謝ブースト配分)
- 普段のレッスンに加えてコンディショニングやトレーニングを追加
- やや長めのセンターで運動後過剰酸素消費を狙う。
3. 栄養・水分
- レッスン前は炭水化物主体で良質なタンパク質を摂取するといい。
- レッスン中は常温水をこまめに飲む。四季を通じて水分補給は代謝を活性化させる。
- レッスン後は、タンパク質20〜30g+炭水化物で筋回復とグリコーゲン再補充。
- 日照が少ない時期はビタミンD不足に注意
4. 回復と体内時計
レッスン終了が夜遅い場合は、明るい照明を早めに落とし、リラックスして入浴。
可能なら午前中に自然光を浴びて概日リズムを整え、非運動性熱産生を底上げ。
これらのことはだいたいにおいては知識としてはあるのではないでしょうか。
ところが、知識はあっても継続できているかというと、自信を持ってイエスと答えられる方は少ないかもしれません。
まるでアスリートのようと思われる方もいるかもしれませんが、まだ続きがあります。
続いては筋肉の「滑走性」についてです。
続きは次回のブログで。
今日も一日ありがとうございました。
感謝。
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