以前、私が事務局を担当していた
大阪大学臨床栄養研究会からのお知らせです。
これは、阪大の臨床系の医局が持ち回りで
毎月違うテーマで講演を行い、
医療関係社や一般の人たちに知識を深めていただこうというものです。
もう、30年は続いているでしょうか?
ぜひ、興味のある方はご参加くださいね。
なお、毎月のお知らせをメールにてご希望の方は、
私までご連絡いただければ、登録させていただきます。
お名前、所属先などを書いて、下記アドレスに





今回は、大阪大学大学院医学系研究科漢方医学寄附講座
准教授 萩原圭祐先生によるご講演です。
多くの方々のご参加をお待ちしております。
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加齢に伴う筋力の低下・および筋肉量の減少をサルコペニアとよび、
寝たきりを引き起こす重要な因子として注目が集まっている。
サルコペニアは加齢に伴って変化する身体活動低下の他、栄養摂取量・ホルモン・
炎症反応など様々な要因が関与するといわれ、80才以上では50%以上が
罹患しているといわれている。
サルコペニアが生じると、易転倒・転落から骨折、体動制限、
サルコペニアの進行という悪循環を呈し、寝たきり状態を誘発する。
70才以上でサルコペニアを合併している場合、死亡率は2.3倍という報告もあり、
寝たきりの高齢者が2025年には230万人に達すると推計されている本邦では、
サルコペニアの予防や治療は重要な課題である。
サルコペニアに対する有効な手段としては、現在のところ、筋力トレーニングのみで、
必須アミノ酸・ホルモン剤・ACE阻害薬などの臨床研究も行われているが、
十分な有効性は確認されておらず、新たな治療手段の開発が望まれている。
漢方医学では、ヒトの誕生から終焉までを主る生命エネルギーを「腎気」と考え、
加齢によって引き起こされる、骨の退行性変化・腰膝に力が入らない・
しびれといった症状を「腎虚」とよぶ。
腎虚を補う漢方製剤を補腎薬とよび、補腎薬の代表である八味地黄丸や牛車腎気丸は、
腎虚に伴う多岐にわたる症状に臨床効果を発揮することが報告されている。
従来の漢方医学では、サルコペニアなどの筋力低下は、腎虚概念に含まれていなかったが、
我々は、サルコペニアが腎虚の一症状と考え、老化促進マウスが
腎虚モデルマウスとして適切ではないかと仮説を立て、牛車腎気丸を投与し
老化促進マウスの骨格筋への作用を検討した。
老化促進マウスに8週齢から普通食もしくは牛車腎気丸を服用させ、38週まで飼育し、
下腿筋肉について組織学的・分子生物学的手法を用いて検討した。対照群としては、
遺伝背景が同一のコントロールマウスを使用した。老化促進マウスでは、
サルコペニアに特徴的である筋萎縮と線維化、速筋の減少が確認され、
サルコペニアモデルとして適切であることが確認された。
興味深いことに、牛車腎気丸を服用させると筋萎縮が改善され、その作用機序として、
インスリン/IGF-1シグナルの増加・ミトコンドリア機能の回復が関わっていることが明らかになった。
漢方医学では、古来より長寿に向けての養生の大切さも説かれており、
サルコペニアに治療開発にヒントとなるものは、まだまだ残されていると我々は考えている。
次回、第348回CNCは、猪阪善隆先生のお世話で平成26年6月16日(月)に開催予定です。
私も毎日飲んでます。
美と健康のために・・・ぜひ一度、お試しあれ




