イザボー | すみれアダージオ

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イザボー観てきた。
賛否両論あるようだけど私は凄く好きだ。曲がどれもいい。だいもんが凄い。キャスト全員素晴らしい。初回は情報が多すぎて脳が混乱したが、2回目には病みつきになった。そして火曜日の千秋楽を観る。ブルーレイも予約した。

この作品が発表になった時に誰もが
「イザボーって、、誰?」って思っただろう。
そもそも、イザベルじゃなくてイザボーってフランス女性の名前としてなくない?と思ったら、どうやらイザベルの蔑称らしい。私らが真咲をマサオって呼ぶようなもの?(違)

「フランスは1人の女によって滅ぼされ、1人の少女によって救われた」
と言われているらしく、その女がこの作品の主人公にして最悪の王妃イザボーで、少女とはジャンヌ・ダルクだ。
イザボーの前にブリリアではジャンヌ・ダルクも上演していたので、続きで観るとより分かりやすいのかもしれない。

さて、イザボーの話。
開演前にアンサンブルキャストによる演出があり、「スマホ電源切ってね、守れないヤツは斬首」などの注意事項を告げられた後、戴冠式を控えたシャルル7世コールを強要される(笑)
リピート観客はかなり好意的にノリノリで「シャルルセッツ!シャルルセッツ!」と腕を上げて大声でコールし、客席が温まったところで幕が開く。何故7をセットじゃなくてセッツと言うのかはよく分からない。

ストーリーは、戴冠式に臨むシャルル7世が、自分のルーツを知る為、義母ヨランドとタイムスリップ(?)して毛嫌いする母イザボーの人生を辿って行く流れになっている。

もうね、始まって、「うーん、やっぱりブリリアは音響がイマイチかも」と思っていたのが、だいもんイザボーがバーーーン!と登場した途端に魔術のように音響が変わった。
イザボー登場のナンバーがまたいい。
だいもんの華やかさといい押し出しの強さといい圧倒的な存在感といい歌声といい、ファンでなくても「持ってましたーー!」と気分アゲアゲで言いたくなる。
こういうだいもんが見たかった。サティーンなんて柄違いの役やらずに、不敵な笑みで咲き誇る悪の華やるのが正解でしょう。後ろ姿でさえ劇場中を支配する。あれは王者の後ろ姿だ。最高に良かった。

それにしても何という血なまぐさい時代だろう。まともな人間が一人もいなくて開いた口が塞がらない。
ブルゴーニュ公フィリップ(カズさん)があまりに胡散臭いので、その息子ガウチのジャンは1幕では普通に見えたがこいつもまともじゃなかった。
言葉もよく分からない異国に嫁ぎ、夫は狂い、周りは信用できない奴らばかり、そんな中で欲と色にまみれながらも力強く生きたイザボーがスゴツヨすぎる。その生命力、天晴と思わずにはいられない。なんだかめっちゃ元気をもらう。

他のキャストもみんな素晴らしかった。
シャルル6世凄かった。もう狂王をやらせたら右に出るものはいないんでは?白目を剥いてヨダレをだらだら垂らし(垂らしてはいないか)頭を振りながら狂気の世界に生きる様は本物の気違いにしか見えない凄まじさだった。

その弟であるルイ・オルレアンの上川さんも上手い。歌も演技も文句ない・・・
だけど、、
ムーラン・ルージュ組でこの女たらしの役をやるなら伊礼君で観たかったー
テラヤマキャバレーで出れないけど。

最近爆上げ感満載のショーマ君は嘘みたいに失敗しまくってた。
セリフを噛みまくり、更にど忘れしたらしく大事なところで芝居が止まった。
普通なら上手く誤魔化すところ、キャリアの浅さか顔に斜線が入り「どうしよう忘れた出てこない」という情けない表情で一目瞭然の「あ、セリフ忘れたな」だった。
様子を伺っていた受けのジャンヌ・ダルクが諦めて不自然に次のセリフを続けたが、2回目を見た時に台本にして結構な量の重要なセリフがガッツリ抜けていたので、これをど忘れしたのかと衝撃だった。

シャルル7世には兄が何人かかいたらしいが、その兄達は次々と夭逝し、棚ぼた式に玉座が巡ってきた。
そうなる運命だったのか、帝王学を学んでない青年が王になる、その頼りなさげなところが合っていたと言っておこう。

シャルル7世と義母ヨランドは狂言回しのような役割も担っている。
ヨランドの姫様(私は那須凛さんを姫様と呼ぶ)ちょっと礼音君に似てる。そして顔が似てると声も似るんだな。
ショーマの頼りなさを姫様の確かな演技力が支える。この並びは絶妙だった。また、だいもんと対等に渡り合える力強さもあった。

疲れたのでこの辺で切る。
続く、
かもしれない。