私の俳句生活を支えてくれているものに〈ぐりとぐらカレンダー〉があります。4年前に亡くなられた山脇百合子さんの作画なるカレンダー。私は毎年このカレンダーを買って、1日に1句その日に作った句を書き込んで、その1年の俳句ノートにしています。新聞に出した句の日付も、この記録から後で判るからです。

      

 
 その山脇百合子さんの自伝が出版され、娘さんがあとがきを寄せています。戦争と戦後を乗り越えて生きた幸せな家族の歴史が描かれている挿絵付きの自伝。私には、ウンウンどうなづくことがいくつもありました。絵本好きの子どもたちが二世代にわたって登場します。私が一番好きなのはこの、そらいろのたね、です。
    
 
 私は字を知らない子でした。当時の養護施設は大所帯で、字を教える余裕なんてなかったので仕方ありません。ですが小学校に行って初めて字を知った私は、もう夢中で絵本や図鑑を読み始めます、字が読めれば、もうそこに全部書いてあることを〈大発見〉したからです。その時の感激をこの本を通して思い出します。絵本の素晴らしさ!
    
 
 山脇百合子さんの自伝を読むと、上野の科博のネズミ標本コレクション↑の見学から、ぐりとぐらが生まれたとのだと⋯。彼女自身が興味キラキラした少女、学生時代を送っていたのですね。
    母になってから子供三人を抱えての毎日、夜八時に全員寝かせてから絵を描き続けた生活も、この本の中に書かれてます。私も若い頃から朝5時〜読書、調べ物、俳句の時間にしてます、似てます。
 
   
 
 どうしても彼女の描くこの男の子が、ひとりぼっちだったけれど不幸ということはなくて、本が好きで絵が好きだったあの頃の私自身に見えてしまいました。『絵本と子どもと歩いた日々』、おすすめの楽しい素敵な新刊です。

  私の長年の推し、逆転優勝🏆️
  震災と被爆の福島から東京に避難して力士に、ケガで幕下まで落ちながら頑張りこの賜杯を再び!若隆景、おめでとう。みんなが貴方に涙しました。つぎの優勝を目指してください、もう私にはその姿は見られないかも⋯しれませんが、ぜひ。

 まあ寒い寒い、3月の気温と北風でベランダのバラの鉢が倒される神奈川の1日、誕生日の記憶でこんな寒さはありません。

 それでも、これから夏にかけて美味しいものが出てくるので楽しみ、麦の刈入れの頃の蛸、そして五月の鰹と鯛、少しすると夏の祭の囃子が聞こえる頃の鱧ハモ、これがうまい。桜鯛、旬の鰹、麦藁蛸に祭鱧。写真はまさにこれこそ、の〈ひっばり蛸〉!

 

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 特に蛸が大好きな私にとっては、麦藁蛸に目がいきます。初夏ともなると海水温が上がりエビやカニが肥え、それを狙う蛸が大きく成長する頃、その時期の蛸の刺身はもう絶品です。蛸のマリネもまた絶品!また麦わら帽子が出てくる季節の麦藁蛸、というのもなかなかいい語感。

 蛸という漢字はなぜか虫偏、これはもともと蛸が8本足の蜘蛛と見立てられてのこと。語源は、手こ、手ナマコ、という説が有力で、あの足を手と見ての呼名。


  赤ワイン 白ワイン 赤ワイン 白ワイン 赤ワイン


 テレ東〈孤独なグルメ〉の五郎が4月に訪ねてきました。わが家すぐ近くのイタリアン、今ちょっと大変。ここは蛸もうまい。イカも魚も美味い、デザートよりどりの隠れ名店⋯これで世間に知られてしまったなあ!


   
 
 
  写真は番組からの画像です
 春のホタルイカたっぷりパスタ
お店のスタッフさんたち
 

    そんな誕生日、朝9時丁度にAIからお祝いメール〈個人情報ダダ漏れ!〉、多忙な娘たちからノーアクション⋯やや微妙な感じ。一方で戦火やまずのウクライナ、ここはヨーロッパ小麦の生産拠点。その麦畑が地雷、不発弾の危険にさらされ大砲も据え付けられて。ウクライナ戦争はや5年目に。


 惜しまれぬ身だにもこの世にあるものをあなあやにくの花の心や

 西行⋯世にある価値もないこの身なのに、花は惜しまれても散る意地悪な心だよ



 ようやく体調不良による口内炎と歯の痛みが治まってきました。が歯医者にも行かないままやり過ごそうで2年もゴマカシゴマカシ⋯、いずれ全部の歯を失うのだろう⋯とも思いつつ。

    とはいえ3月からの2ヶ月の作句の苦しみから、先週末をもって解放されました。俳句賞投函!

 

  

 
 カフェというか、ふつーの食堂でランチとジンジャエールで粘って最後の一日、50句を仕上げ送りました。新聞俳句初入選した赤ポストに投函という縁起担ぎして。
 毎年5月末が締切り、賞金30万円の俳句界の芥川賞。数百の応募から角川社員の下選30がまず選ばれ、その後委員の俳人4名が最終選考。この下選30に我が人生で一度だけは入りたいものだと挑戦すること5回目。5年目の今回で一応、最終応募のつもりです。

  


 こちら、ネコノテ猫カフェの絶賛代理販売中の地元の猫キャラ。左は箱根の山の耳とネクタイの滝をあしらった白猫のみなみん、右は大雄山という霊地の天狗猫のあしがーにゃ。この二匹のレアキャラ、ネット検索してもまだまだなかなか出てこない猫さんではあります。
 
   飛石を夏へ夏へと渡る声
 
   蓮鉢の水飲む猫の背の丸し
 
   くたびれている冷奴いつ帰る
 
 
 もう随分前に若くして世を去った一人の歌人、笹井宏之。没後18年。その歌集〈えーえんとくちから〉が、3年前にちくま文庫として復刻と知り、すぐ取り寄せ、すぐ読む、何もできなくなる⋯

 
◯晩年のあなたに窓をとりつけて 日が暮れるまで磨いていたい
 
◯手のひらの半分ほどを貝にして あなたの胸にあてる。潮騒
 
◯体にはいのちがひとつ入ってて 水と食事を求めたりする
 
◯完璧にならないようにいくつもの鳩を冷凍する昼下がり
 
◯いま辞書と深い関係にあるから しばらくそっとしておいて。母
 
◯寒いねと言ふとき君はあっさりと北極熊の目をしてみせる
 
◯指さきのきれいな人にふれられて 名前をなくす花びらがある
 
◯切らないでおいたたくあん苦しそう本来のすがたじやないものね
 
 そもそもは、あの小田原の本屋さん、南十字。そこで手にした本《鬱の本》で知る歌人。〈笹井さんがいなければ生きていけなかった〉と、その本↓に一人の女性作家が書いていた。⋯南十字にはかなりの責任があると思う。
 
      
 
 普段ことばだけの短歌で、日本語はここまで迫れる、入れる、入られてしまう、掴まれてしまう、何なんだコレ。
 

◯清いものになりたいという一心でピアニカを吹き野菜を食べる

 

◯内臓のひとつが桃であることのかなしみ抱いて一夜を明かす

 

◯雪であることを忘れているようなゆきだるまからもらうてぶくろ

 

◯ほんの少し命をおわけいたします 月夜の底のかみふうせんへ

 

 以下⇒4月15日拙ブログの再掲

 

 城下町小田原の街の行きつけの小さな本屋さん、コーヒーをいただきながら、見ず知らずの初見本を探します。書店名は〈南十字〉、旧小田原市電車両に並んでます。この車両は長崎を走ってから余生に小田原に戻ってきた。

  小さなそれぞれのボックス〈一箱本棚〉に、いろいろな方が手持ちの本を安く♡出しています。本ガチャは五百円、中身は全くわかりませんが、そろそろ本屋さんの棚からきえていくかなあ⋯的な本が出てきます。

 
 夏草や殺処分ゼロ三年目
   ⋯本県は保護猫すべて行き先確保!
 ささがにの糸のかすかに文具店 
  ⋯小さな蜘蛛、文具売れない時代に 
 永遠解く力⋯一冊 麦の秋
  ⋯それにしても不思議なタイトル

 黄色いカタバミは目立たずに咲いて終わっていく、どこにでもある花ですが、日本在来種。酢漿ホオズキ草という字が当てられるように、口に含むと酸っぱい味がします。鏡草という素敵な名もあります。カタバミでガラス器を洗うと、きれいにというよりは、つるつるしてきます。

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 河原には野いばらが群れ咲いています。白い小さな薔薇、トゲびっしりの薔薇でほとんど見向きもされませんが日本固有の薔薇。この薔薇がのちのオールドローズ誕生のための五原種として、芳香と強い耐性をもたらしました。

  

 

    与謝蕪村はこの野茨、花いばらが特に好きで、ふるさとの土手に咲く野茨の句を残しました。


 ⋯蕪村⋯

 花いばら故郷の路に似たるかな


 愁ひつつ岡にのぼれば花いばら

  ⋯⋯子規が絶賛した蕪村の句とか

     

   クローバー クローバー クローバー

 連休中の森を散歩がてら、緑の小文を探してきました。オトシブミという小さな手紙。なかなか苦労しましたがエゴノキに、エゴノキツルクビチョッキリの小文が見つかりました。3センチくらい。

 
 わかりましたか↑3つあります。この木あの木をジロジロ、グルグルのオヤジ一匹、はたから見たらナンダコイツ、です(笑)
 
 隣る世へ道がありさう落し文
⋯⋯手塚美佐
 西行の道みな細し落し文
⋯⋯鷲谷七菜子
 習はずに巻き整へぬ落し文 

 
 ↑正体は1センチ弱の甲虫
 
 ↓こちらはムサシアブミ

 この種も県によっては盗掘もあり絶滅危惧種に指定されてます。
    
 



 最近出た文庫本『本と校正』、中公文庫の復刻版です。このなかに、校正者が泣かされた誤字誤植の例が挙げられています。勝手に漢字に直してくれるパソコン、ワード時代でもまだある誤字。それはヒューマンエラーとして。

 今使っているWordでも、依然として気をつけて見直さないと、小中⇒焼酎、神経過敏⇒神経花瓶、などとやってくれます。

 

  ⋯ 

 

●誤植誤字引用例 赤は私の過去ミス

 

 意外⇒✕以外 ⋯意外と多い

 享年⇒✕亨年 ⋯今も自信なし

 斡旋⇒✕斡施 ⋯自信なし

 福沢諭吉⇒✕論吉若者本気誤字

 画竜点睛⇒✕天晴 ⋯ええっ!

 言語道断⇒✕同断 ⋯Wordも!

 有頂天⇒✕有頂点

 口頭試問⇒✕口答試問 ⋯前科あり

 収穫⇒✕収獲

 徐行⇒✕除行 ⋯いつも要確認!

 専門⇒✕専問 ⋯これも前科あり

 太平洋大西洋⇒✕大平洋太西洋

 ⋯太平洋にはハワイ島ありと覚える

 寺子屋⇒✕寺小屋よく見る誤字

 ⋯寺子=檀家の子ためのお寺塾

 単刀直入⇒✕短刀直入 

 二束三文⇒✕二足三文 

 

●かつての入社試験 読める?

 

  褪せる 軋轢 訝る 転寝

  女郎花 義捐金 絢爛 沽券

  注連縄 女婿 忖度 縮緬

  土筆 熨斗 只管 鳩尾

  

  あせる あつれき いぶかる うたたね

 おみなえし ぎえんきん けんらん 

    こけん しめなわ じょせい そんたく 

    ちりめん つくし のし ひたすら 

    みぞおち これはなかなか


 ワタシなど俳句を趣味にしてなければ、ブログを続けてなければ、相当に読み書きができなくなっていたと思ってます。話す仕事をさせてもらってなければ発声と滑舌もダウンしたと思います。


 ちなみにわが県の公立高校入試問題から、漢字書取り問題はとうになくなりました。解答大半も塗りつぶしのマークシート。

 

  通勤駅の一コマ、あらあら!
 
吸ひ上げし水さやさやと若葉哉
 
ヘレン・ケラー電車に広ぐ一年生
 

 

 最新の国連の発表では、世界人口は80億人を越え、インドが世界一の人口国になったことはもちろん、今後アフリカの人口が世界人口の1/3にまで膨らむ見込み。2050年の予測値としてコンゴとナイジェリアは三億人に、エチオピアとタンザニアは二億人超え、これにエジプトも。アフリカ諸国は続々人口大国に。

 

    またアジアでは、ベトナム、フィリピンが日本の人口を越える予想。逆に、ロシアが日本にも人口を抜かれるとの見込みも。

 

 

 そう言えば今日は、子供の日、子どもの日、こどもの日、立夏。最近は〈こども〉が使われるようになりました。戦後まもなくは子供表記が主流、それが教育や福祉の文書から子どもへと変わり、今は〈こども〉が普通に。多様性、子の人権への配慮が前面に。これは、障害者を、障がい者、障碍者へと書き換わりゆくことにも、少し似ているような気がします。

  

 イギリスのケン・ローチ監督の最新作〈オールドオーク〉、久しぶりに映画のラストシーンで大泣きしてしまいました。小さい映画館で観たのですが、さすが多くの観客を集めていました。〈ダニエル・ブレイク〉シリーズにして最終作品。

 保守的な住民の暮らすイングランドの小さな街が舞台。かつての栄光に酔いしれる頑固なパブのオヤジたちと、言葉も分からないままイングランドに避難してきたシリア難民たちとの凄まじい軋轢、激しい対立と妨害、⋯そして。

 
       
 

 ドイツ、イギリス、フランス、スペイン、カナダなど多くの国が日本の倍から4倍の難民をうけ入れ続けている。⋯難民問題への最大の抵抗勢力が、トラちゃん!プーちゃん!習さん!なのだと知られます、世界の映画を観て。

 
 かき曇る空この色もまた立夏

 左側窓に虹ですアナウンス
 
 家路に向かう混んだ夕方の車内、粋な車掌さんのアナウンス。この春は2回も帰宅電車の窓から大きな完全な虹が見られました!そんな一句です。

 連休初日はのんびり河原の木陰で過ごしました。梢からはツピーツピーとかわいい囀り、時折ウグイス。風も気持ち良い。紅茶をタンブラーに、牛丼屋テイクアウト、それで十分な気持ち。


 実は、ゴールデンウィーク全部丸々休みってこと自体、勤続45年にして私には生まれて初めての経験なのです!仕事が1日も入らない!夢のような!最高な五日間。何もしないで過ごせる!
 休日土曜の仕事も、その他の依頼もなくなり、静かな老後がやってきました!それはそれで悪くないなあ。とはいいながらやはり、身の置所のない感じもします。旅行に、外食に、という余裕はない年金世帯でもあります。

 木陰でイヤホンしながら友達と電話している人もいて、いいなあ。オッサンキャッチボールもいいなあ。よく見ると中学生ラントレも。ゴールデンウィークってこんなんだったんだね!
 この河原の向う側の桜は伐られてしまいましたが、イキモノガカリのあのsakuraです。高校の後輩男子と隣町のキヨエちゃん。駅前ライブしていたなぁ、あの頃。まだ地震も原発事故もなくて。
 
オッサンのキャッチボール風光る
 
ママチャリで河原へ私の黄金週間

葉桜やイキモノガカリふた昔
 
サッカーは玉蹴りでよし藤終る
 

 
 
  

 風薫る五月私の誕生月へ、まもなく季節は立夏へ。この春特別公開されている、鎌倉と逗子の境の山頂に築かれた中世の墳墓〈曼荼羅堂やぐら〉に足を伸ばす。

 暑すぎすカンカン照りでもなく、まさに青紅葉ハイキング。

 

 
 大手住建会社が薬剤などを墳墓の岩盤に注入工事、遺構が崩れない対策を施しての一般公開。百超えの横穴墓所が見られるようになりました。これが、鎌倉時代の一般庶民の集団墓所と言われている〈曼荼羅堂やぐら〉。柔らかい岩を方形にくり抜いて遺骨を埋め、そこに五輪の供養塔を添えた簡素な横穴石室群です。

 山中の草深ゆえに何百年を経て遺された鎌倉時代の遺産。
 
   
 
 続いてこちら苔寺として知られている鎌倉妙法寺の苔の石段。日蓮聖人が最初に説法した庵跡に建つ日蓮宗の寺院、⋯苔にシャガの白が映える。もともとの鎌倉幕府跡の地であるとも言う、大町界隈。私が学生の頃はまだ蛍が葉裏に、そんな草深い鎌倉も。
 

青紅葉ざわり曼荼羅堂やぐら

 

青紅葉名もなき古人いにしえびと眠る

 

 曼荼羅堂やぐらと同時代を生きた歌人の和歌も供養に、合掌…

 

-みな人の知り顔にして知らぬ哉  必ず死ぬる習ひありとは 僧慈円

 ⋯人はみな悟った顔をしているが、必ず死ぬのだ人はと覚悟はしてないものよ

 

 

 

20210425_07133420210425_062539あのコロナ禍、遠出や旅行はできるだけせず、休みは電車やバスですぐの里山歩きをするようになりました。それでもこれが十分に美しい。殊に新緑は美し。これ以上の幸せはありませんし、里山歩きをしてこなかったことを後悔さえしました。
 

 今の時期、里山の水はけのよい斜面にはキンランとギンランが見られます。このランたちは複雑な環境の中で生きていて、持ち帰っても根づきません。その場所その環境でしか花をつけない。それがまた美しい。乱獲のなきををひたすら願いつつ。

 それにしても、清楚な花のギンランの方は、少し目立たない白色ということもあり、激減していることもあって、なかなかお目に掛かれない野のランとなりました。


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 光彩陸離たる新緑の候…、という言葉があります。言葉のとおり光まばゆい新緑です。陸離とは光があふれてまばゆいという意味。川面に映る花火の美しさを著すときにもこの言葉を使います。 

 光彩奪目、という類語もあります。ただただ美しい里山を歩きながら、小鳥のさえずりを浴びるだけで、得も言われません。


 風光る空の隅々地の隅々

 空の色違ふね春の哺乳類

 柳折る心の友は風の色

 

     

    私のミニ盆栽、青もみじ