洋菓子よろず引き受け人のブログ

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京都伏見でお菓子・パン・シュガークラフト教室を主宰しています

 ベストセラー小説の映画化、2大スター(ステイーブ・マクイーン、ダステイン・ホフマン)の共演、フランス・アメリカ共同制作による2時間30分の大作テクニカラー映画、1973年製作のこの映画は後世語り継がれる名作と評されています。筆者は題名しか知りませんでしたがかつて存在した当時はフランス領南米ギアナの収容所に送られた通称パピヨン(胸にあるチョウの入れ墨がその由来)本名アンリ・シャリエールが数回も脱獄を企ててはそのたびに失敗し、独房に収監されひどい懲罰を与えられるが13年後ついに脱獄に成功する、というあらすじだけは知ってはいました。脱獄物では古くはフランス映画でジャン・ギャバン主演、ジャン・ルノワール監督の往年名画1937年度(大いなる幻影)、マクイーン主演1963年度(大脱走)はかつて多く存在した旧作専門の映画館で幾たびも鑑賞していますがこの2作はいずれも戦時下、ドイツの捕虜収容所からの脱走という内容の映画で、心理的抵抗はなく鑑賞は出来ましたが、(パピヨン)は主人公は犯罪者、人殺しの罪で逮捕されて刑務所送り(本人は無実を主張しているが)、他の囚人たちも殺人等同様で、ダステイン・ホフマン演じるルイ・ドガは罪状・1928年に国防国債偽造、これは本人も肯定しており多くのフランス国民を破産させ一家離散、心中等人生を狂わせたのと引き換えに大金を得た許しがたい犯罪者、と全く感情移入できない面々で、自らの脱獄を語るのだからいくばくかの美化もありフイクションはされていると批判的にもなる作品で、セリフつきの女性キャラは数名、女人禁制の刑務所で女気はなく囚人女性がひどい目にあわされる場面はないのですが、繰り返して観ようとは思えない、と鑑賞後も思いますが、目的は脱走だけで主人公が無鉄砲にがむしゃらにつきすすむそんな男の物語は想像したより面白く、脱獄の失敗ストーリーを延々と映像で見せ最後にやっと成功し、その後を自由人として生きたことは最後に付け足した説明のみで映像はなしでおわり、かつて収容されていたギアナの収容所はパピヨンの死(1973年・享年66歳)の前には廃止されて廃墟となり、その建物の映像でエンデイングでした。

 ステイーブ・マクイーンの名を筆者が最初に知ったのは映画ではなく(暮しの手帖)でした。

 以前にNHK連続朝ドラでも取り上げられ、今でも隔月出版されているこの雑誌には料理や商品テスト、政治や健康、病の話、食品添加物、家庭用薬品、子供向きのお話などあらゆる暮しに関する記事が詰まっており、映画やテレビドラマ評論もありましたが、出演作の映画評ではなく、マクイーンがおこした裁判に関する記事でした。

 主演した映画のフィルムが本人の承諾なく日本企業のTVコマーシャルに使用されたことへの訴訟で、裁判を起こしたのはすでに癌にむしばまれていた1977年のことで来日して法廷に立って証言もしています。判決は彼の死後(1980年11月10日、享年50歳)、敗訴でした。 *参考文献;暮しの手帖1981年早春号、バックナンバー70、68ページから73ページ、執筆者は不詳、Aとのみ文末に記載