庭のあじさいを見て 想う事・・・

 
花ことばは、”高慢”です。
梅雨のころ、しめやかな雨に濡れて咲いているこの花に、
どうしてこんな花ことばがついていたのか、わたくしにはわかりません。

あじさいは、咲きはじめから、
満々と咲ききってしまうまでに、少しずつ色を変えていきます。
また咲ききった後、花びらを散らしもせず、
色を失ってしまうまでじっと何かに耐えているようです。

そんな姿に、少女から娘に、
娘から女に、女から母に、
母から白髪のおばあさんにと、
ひとつの時代を生きる女の姿を重ねてみるのです。

           (「花ことば物語」(鈴木美智子 カラーブックス 保育社)より)