私は支援学校で働いている。
今年の担当学年に、何かにつけて
「うちの子、繊細なんで」
と言う保護者がいる。
"大抵よくない場面で使われる。
ちなみにその子の学校での様子は
・喜怒哀楽の感情表現が豊か。
・キレやすい。落ち込みやすい。
・他者の感情への理解や興味関心は希薄である。
・欲求に忠実。特に、虫や小動物を踏みつけたり、人に物を投げつけたりしたい衝動が強い。
・咄嗟に自己防衛、自己正当化のための嘘をつく。(思考が介しておらず悪気はない。)
という感じ。
障害特性
彼女自身の産まれ持った性格
これまでの生育歴や環境
などなどが合わさってこうなっているのだろう。
彼女を責めるつもりは全くない。
強いて言えば、その責任は彼女とこれまで関わってきた大人たちが背負うべきものだと思う。
そしてこれはあくまで"学校での"姿。
しかも"私から見た"姿。
なので客観性は全くない。
"私から見た"彼女は、"繊細"というより"情熱的"である。
引用元:
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こう見ると、"繊細"も"情熱的"も、的を射てるような気もするし、どこか過不足があるような気もしている。
私の貧しいボキャブラリーでは、他に適切な表現が思いつかない。
色々踏まえて私が疑念を抱くのは、
『"繊細"を自称(自分の子含む)する人は、"繊細"を建前に自分の意志や要求を通したいだけではないか。』
『本当に"繊細"な人は、果たしてそのような方法を取るのか。』
ということだ。
…これはかなり意地悪な言い方だという自覚はある。
そもそも私自身、天地がひっくり返ったって"繊細"な人間ではない。
幼少期からあれほどの虐待と毒とマルトリを受けておきながら、一度も精神疾患にならずに現在までしぶとく生きのびている。
親に洗脳されることもなく自立し、絶縁状態までこぎつけた。
先天的なものか後天的なものかは不明だが、かなり図太い部類の人間であることは間違いない。
本当に"繊細"な人が何を考え感じて生きているのか。
図太い人間代表の私が想像したって限界があるだろう。
図太い私にとって
・本当の"繊細"さん
・俗に言う"繊細ヤクザ"
の両者の見分けをつけるのは困難すぎる。
"繊細ヤクザ"臭を感じたら、深く関わらずに逃げたいと思っている。
ちなみに私の息子(2歳5ヶ月)、発達が遅いことをこのブログで散々書いている。
ただ発達の面以外にも、周囲の支援者(保育園担任や療育先OT)から
「すごく慎重で臆病」
「人に対して過敏、人のことを気にしすぎる」
とよく言われるのも気にはなっている。
ネットですぐ出てくるHSPテスト(13個以上当てはまると可能性高い)だと、
1【すぐにビクッとする?】:
突然声をかけられたり、人がふいに現れたりするとすぐに驚く
→当てはまる(1)
下手するとギャン泣き。
2【サプライズをしてあげてもあまり喜ぶことがない?】:
喜ぶと思ってサプライズを仕掛けても反応が薄い
→当てはまる(2)
アンパンマンミュージアムなど、喜ぶであろうところに連れていっても圧倒されて固まっている。
しばらくして慣れると動き出す。
3【相手の気持ちをよく察する?】:
親のちょっとした表情の変化を見て「悲しいの?」と心配する
→当てはまる(3)
ちょっと咳したり欠伸したりしただけで「大丈夫?」と言ってくる。
4【年齢よりも大人っぽい言葉づかいをすることがある?】:
教えたわけではないのに、大人びた言葉づかいをして周囲を驚かせる
→当てはまらない
言葉は遅れている。
5【においに敏感?】:
いつもとは違うにおいがしたら、誰よりも敏感に察知する
→不明
特に本人からの訴えはない。
怪訝な顔をしているような気もするが…言葉が遅れているので上手く説明できない可能性も。
6【ユーモアのセンスがある?】:
ぼそっと発したひとことでまわりを笑わせる
→当てはまらない
ユーモアを言うほど言語発達が進んでいない。
7【優れた直感力をもっている?】:
「○○な気がする」と言ったことはだいたい当たっている
→当てはまらない
そんな高尚なことはまだできない。
8【興奮した日はなかなか寝つけない?】:
遊園地や動物園に行った日や、入園式・入学式など多くの刺激を感じた日は寝つきが悪い
→当てはまる(4)
疲れ果ててすぐに寝るが、夜中に中途覚醒してギャン泣きする。
9【大きな変化に対応するのが苦手?】:
引越しや転校など、周囲の環境ががらりと変わるような変化に慣れるのに時間がかかる
→当てはまる(5)
大いに当てはまりすぎる。
10【着ているものが濡れたり汚れたりすると着替えたがる?】:
水遊びは好きだけど服が濡れるのはいや、砂遊びは好きだけど服が汚れるのはいや、など気にしやすい
→当てはまる(6)
大いに当てはまりすぎる。
11【四六時中質問をしてくる?】:
ちょっとでも疑問に感じたことは質問しないと気がすまない
→当てはまる(7)
拙い言葉ながら割としつこい。
12【完璧主義のように見える?】:
「もうそれくらいにしておけば?」と言っても、納得できるまでやろうとする
→当てはまる(8)
最終的にできなくて、「できないよぉ!」とブチギレて泣くまでがセット。
13【他人の痛みや苦しみによく気がつく?】:
テレビを見たり本を読んだりしていても、登場人物が悲しんでいたら自分のことのように感じて泣いてしまう
→当てはまらない
「えーんえーん?」「痛い痛い?」と心配したりはするが、泣くまではいかない。
14【静かでおとなしい遊びが好き?】:
外で大勢の友だちと鬼ごっこするよりも、積み木遊びやおままごとで遊ぶのが好き
→当てはまる(9)
保育園のお陰で大分外遊びも好きになったが、そもそもの気質はインドア派。
人形遊び、絵本、お絵描きなどを好む。
15【ハッとするような深い質問をしてくることがある?】:
「死んだらどうなっちゃうの?」など深い質問をしてくる
→当てはまらない
そんな高尚なことはまだできない。
16【痛みに敏感?】:
ちょっと大げさなくらい痛がる傾向がある
→当てはまらない
わざと痛いことをして注意を引こうという素振りはある。
17【騒がしい場所が苦手?】:
人混みなどうるさくて雑然とした場所にいると機嫌が悪くなる
→当てはまる(10)
機嫌が悪くなるというか、固まって動かなくなる。
まあ、機嫌が良い状態では決してない。
18【ほかの人が気づかないような微妙なことによく気づく?】:
人の外見がちょっとだけ変わったり、いつも置いてある場所になかったりと、人が気づかない微妙な変化を見逃さない
→当てはまる(11)
玩具の片付け場所とか替えると秒でバレる。
寝室での位置(左から、私、息子、夫)の順番を崩すのを許さない。
19【安全かどうか確かめてから行動を起こす?】:
高いところに登る前に友だちが登る様子をよく観察して、安全だとわかってから登る
→当てはまらない
そんなに運動発達が進んでいない。
ただ保育園では、初めてのことは友達の様子をガン見観察してから取り組むらしい。
20【自分の知らない人がいると実力を発揮できない?】:発表会などで知らない人がいると不安になり、いい結果が出せなくなる
→当てはまる(12)
結果どころか人格まで変わるレベル。
21【子どものわりに物事を深く感じとっている?】:
ほかの子どもが軽く聞き流すようなことをいつまでも覚えている
→当てはまる(13)
結構細かいことを覚えている。
22【服のタグやチクチクする肌触りなどを嫌がる?】:肌触りの悪い生地の洋服を着せるとすぐに脱ぎたがる
→当てはまらない
23【叱るよりも優しく間違いを正したほうが理解してくれる?】:
叱るといつまでも引きずり、優しく諭すとすぐにわかってくれる
→当てはまらない
家では優しくすると調子に乗るタイプ。
園ではどうだろう…。
引用元:
と、13個当てはまるので一応HSCの可能性は高めな模様。
まあこのチェックリスト自体が、自閉で説明できる項目も多いので何とも言えないが…。
発達障害であれHSCであれ。
息子が今のまま成長するのであれば、"配慮を要する"ことは変わらないわけで。
「私は図太いから分からない」では、親としてあまりに無責任だろう。
嫌でも"繊細"の世界を知っていかなければいけない。
勿論、息子の"繊細"さ(仮)を逃げや交渉に使ってはいけない。
ただ、その情熱はぶっちゃけ息子にしか向けられないと言うか。
『他所の自称"繊細"さんにはリソースを割きたくない』
『"繊細ヤクザ"容疑で距離をとりたい』
という気持ちは変わらない。