ちょうど一年前にこんな記事書いてました。





この前ネットで
「保育士や教師は、子育て経験がある人限定にしてほしい」
的な意見を見かけました。



コメント欄は賛成意見が多め。

そんな中にも
「じゃあ障害児教育は障害児育児した人限定にしないとね」
という皮肉めいたコメントもありました。







保育士・教師にとって、子育て経験はプラスになるのか。

保育士・教師にとって、子育て経験は必須なのか。

もっと言えば、子育て経験がない保育士・教師は劣っているのか。







私は出産前から教師をしており、出産後に職場復帰をしました。


子無し教師
子持ち教師
子を持つ保護者

3者の目線を経験している私の個人的な感想ですが…
子育て経験は教師にとってプラスになるとは言えないです。

断言できます。





理由としては、

①授業の質が落ちる
②他人の子より自分の子優先になる
③保護者対応は楽になるが、子ども対応は変わらない
④"子育て経験がある"というだけで驕り高ぶる教師がいる
⑤"世の中には色んな人がいる"という経験も必要

ザッと思いつく限りこんな感じです。

あくまで私の場合なので、全ての教師に当てはまるわけではないかもしれませんが。



以下、詳しく考えてみました。



①授業の質が落ちる


保育園は7〜19時までとかしか預かってくれません。
延長してもせいぜい20時?



その時間内に、

・授業準備
・支援具、教材作り
・日中の授業、学習活動(時間拘束)
・校務分掌
・保護者対応(時間拘束)
・同じ学級、学年での打ち合わせ(時間拘束)
・会議(時間拘束)
・人によっては部活動指導(時間拘束)
・日直勤務(校舎内の施錠確認や管理簿の記入)、更衣室とトイレの掃除、プールの水や塩素の補充などの持ち回り業務
・会計処理、事務処理、出欠処理
・その他雑務

など終わらせなければなりません。

時期によっては成績処理、要録、行事準備、学期末年度末業務なども乗っかってきます。



普通に無理ゲーですね。

(時間拘束)がついてるやつだけでその日の勤務時間が終わることも多々あります。





必然的に、授業準備や教材作りに手を抜くようになります。





独身の頃はある意味身軽なので、ブラック企業並に残業してでも準備はできます。

子持ちだと物理的にそうはいかないです。





②他人の子より自分の子優先になる


例えが適切か分からないですけど…

子無しの頃は、担任してる子が川に落ちたとしたら、躊躇なく助けに行っていたと思います。



今は絶対しません。
自分の子を置いて死ぬわけにいきませんから。

「教師失格」と言われるかもしれませんが。
そうしたら子持ちの教師の大半が失格になるのでは…。





あと、子無しの頃はよっぽどのことがなければ仕事は休みませんでした。



今は、子どもが熱を出しただの、保育園で行事があるだので仕事を休むことがそこそこあります。



休んでいる間は補充の先生が入るものの、

いつもクラスにいる先生
ピンチヒッターでしか来ない補充の先生

とでは、個々の子どもの性格や趣向に関する知識が桁違いですからね。
支援の質は当然下がります。





③保護者対応は楽になるが、子ども対応は変わらない


保護者の気持ちに共感(してるフリ)が上手になりました。

子を持つ親同士とは言え、共感できることはできるし、「ねーわ」と思う親は変わらず「ねーわ」としか思わない





あとは、保護者の態度が軟化しましたね。


子無しの教師に対し、無条件に厳しい保護者は一定数います。
(大半はまともな方ばかりです。ごく一部の話です。)



同じことをしていても、
「これだから子どものいない人は。」
と言われるか、
「先生も子育てで忙しいからしょうがないよね。」
と言われるか。
極端ですけど。



そういう意味では、出産後の方が保護者対応はしやすくなりました。





ただ、子どもへの対応や子ども理解は、出産前後で全っっっ然変わりません。

うちの子と他所の子って何もかも違うし、同じ診断名の子でも千差万別だし。





同僚を見てても…

子無しでも、子どもの機敏にすぐ気付く細やかなアンテナがある人は沢山います。
(羨ましい)

子持ちでも、鈍感で無神経な人は沢山います。



子どもの有無というより、その人の性質なんでしょうね。





④"子育て経験がある"というだけで驕り高ぶる教師がいる


これは傍目から見ててもクソだなって思います。

が、案外保護者の方は気付いていなかったり。
むしろこういう奴に限って保護者に好かれていたり。



子どもの方が見抜いていることが多い印象です。
障害の重度軽度関係なく。



逆に、重度の子がよく懐いていて、なおかつその教師の言うことによく従うのであれば、その教師は結構力量があると思う。

懐いてるだけで従わないのであれば、舐められている可能性がある。(行き過ぎると学級崩壊)
懐いていないけど従うのであれば、怖がっている可能性がある。(行き過ぎると体罰)





そう言えば…
保護者に好かれているけどクソな教師は沢山知っています。
一方、子どもに好かれているけどクソな教師ってあんまり見たことないかもしれない。





⑤"世の中には色んな人がいる"という経験も必要


例えば、"子育て経験がある人しか教師になれない"というシステムを作ったとして。



それって、子どもにとってどうなんだろうと思います。

中年以降しかいなくなるわけですよね。
こわ。





体罰、不適切指導、授業力が無さすぎるなどは勿論問題外ですが、

・子無し教師
・子持ち教師
・若い教師
・ベテラン教師
・男性教師
・女性教師
・厳しい教師
・優しい教師
・元気ハツラツ教師
・落ち着いた静かな教師

などなど、さまざまな大人と関わるのも経験のうちなのではと思ったりします。

核家族化が進み、家族以外の大人と関わる機会が少ない現代社会では尚更。





あとは、私個人的には、子持ちしかいない職場には勤めたくないです。

人の多様性がない職場って閉鎖的になりそうで嫌なんですよね。
風通し良くないっていうか。
変な馴れ合いで道理を捻じ曲げそう。







色々つらつら書きましたが、
世の中、"親"を神格化しすぎている
のは常々感じます。

真っ当な子無しもいれば、クソ毒親もいる。
人間だもの。





その謎の神格化が、

・「子どもがいるだけで人間としてのステージが上」と錯覚する勘違い野郎

・「親なんだから頑張らなきゃ」というしんどさ

・「親なんだから頑張れ」という圧力

・「子育て経験は子ども関連の職業においてプラスになる」というこじつけ

・「子無しは未熟である」という偏見

などなどの弊害を産んでいるように感じています。





ぶっちゃけ、
「私はこんなに子育て頑張ってるんだから、子どもがいない人より偉いはず」
と思うのは気持ちがいいんですよね。
承認、肯定、自己実現に飢えてる人は特に。



そうやって易き方に流れないようにしたいです。
自戒を込めて。