長野市の公園廃止の件、話題になっていますね。



○苦情を言ったのは1人のみ。


○たった1人の苦情で公園廃止を決定した長野市の判断の是非。


○「そもそも市も、公園の維持管理費をケチるためにこの苦情をいいように使っているのでは?」という世間の憶測。


○苦情の内容は適切だったのか。(市が譲歩する程のものだったのか。)
①「子どもは騒がしいもの」「子どもには寛容であるべき」という考え方
 苦情を言う側のキャパ(私は騒音系は全然気にならないタイプなので「キャパが狭い人は生きにくいだろうなぁ」と同情します。とか言って我が子の泣き声になると途端に平静を失うんですけどね。)
③実害(上記報道にある限りでは、送迎車の路駐・エンジン付けっ放し、夜間の花火、ボールで植え込みが荒らされる等)
①②③は分けて考える必要があると思います。個人的には。


○苦情を言った1人への誹謗中傷の問題。



などなどが交錯してカオスになっていますね。

あっちこっち飛躍しすぎて論点が行方不明。







そう言えば、勤務先の支援学校にも騒音の苦情が入ったことがあります。

校庭が無いクソ学校なので、児童を引率して近所の公園に遊びに行くことがありました。(コロナ禍前です。)
保育園でやってる外遊びのイメージに近いです。





苦情は公園の近所の住民の方からでした。
(公園の隣の向かいのアパートの方らしい。)





「子どもの遊ぶ声がうるさい。」


「私も子育て世帯なので、子どもはうるさいものだというのは重々承知している。しかし、あまりに度が過ぎている。」


「自分の子どもを幼稚園に送り、やっと一息ついて休憩したり家事をしたりしているのに、公園から奇声がしてくるので気が滅入っている。」


「私だけではなく、近所に住む他の人もみんな同じことを言っている。」


という苦情の内容が、職員朝会で副校長から周知されました。





副校長は、


「遊ばせるなとは言いません。が、そのような声もあるということを念頭に置いて、節度ある遊ばせ方をお願いします。」


「支援学校はただでさえ偏見の目に晒されます。地域住民からの理解を獲得していくのは他の学校と比べて難しさがありますから。」


とのこと。





朝会後は

「やばい、うちのクラスかも。」

「いやいやうちも相当な音量で遊んでたよ。」

などなど職員同士で会話が飛び交っていました。

私も当時担任していたクラスの子をよく公園に引率して外遊びをしていました。
「うちのクラスかも。」は私も思っていました。





ただこれも、「気を付けよう」とは簡単には言えない難しい問題で…


・子ども達にとって、公園で思いきり遊べる時間はとても大切なもの。
("室内で活動する"というだけでもストレスの溜まる子もいる。しかもそのストレスを言語化できない。)


・学校の中だけは得られない体験ができる。
(遊具や公共の場の使い方、周囲の目、行き帰りでの交通マナーなどなど)


・特性上、甲高い声が出てしまう子はいる。
(抑えつけると他害や自傷になることも。)





奇声をゼロにできるとは到底おもえませんが、

『障害があるんだから奇声くらいしょうがないじゃない。』
『子どもには寛容でいてよ。』

という態度は相手を逆上させるだけなので


「"シー"で遊ぶよ!」
と子どもに指導(するフリ)はするようにしました。

本気で奇声ゼロに取り組まず申し訳ないんですけどね…。
(そもそもそれができる子は地域の支援学級行ってますし。)

あと子どもからしたら、自分の能力以上のことを求められるのってしんどくないですか?





そして、そういう時に限ってクラスの子が公園で特大パニック。

ASD、知的最重度で、強度行動障害のお子さんでした。

"手に持てるくらいの固い物があると、それで人のことを殴らなければ気が済まない"
というこだわりのあるお子さんでした。

別に機嫌が悪いとかではないです。
握れるくらいの物を見ると人に叩きつけたくなってしまい、その欲求に勝てないようです。

ほぼ反射。物を拾ってから殴るまで1・2秒くらい。
(もちろん本人に悪気は一切無い。くしゃみやしゃっくりが我慢できないのと一緒。)

こちらの指示理解は困難。言い聞かせの効果は無いに等しいです。
視覚優位でもないので、視覚支援の効果も無いに等しいです。
他の代替も一切受け付けない。

なので普段は
・手に握れる大きさの固い物を徹底的に排除。(環境調整)
・うっかり手にしてしまっても、絶対に他害を成功させない。(誤学習の予防)
・それでパニックになったとしても、こだわり崩しの方を優先させる。
ということを地道にやっている感じでした。


この日は、

その子が公園で石(拳大)を発見
その子が拾う前に私が急いで石を回収
パニック

という流れでした。





担任(私)、副担任の2人がかりで抑えました。

他のクラスと合同で来ていたので、そのクラスの先生に他の子達を見てもらいました。





通行人にはギョッとした表情でガン見されました。



そりゃそうですよね。

暴れまくる小学部高学年男子。
それを力技で抑える成人女性2人。



異様な光景です。
虐待だと思われたかもしれません。





「また苦情が来るかもしれない。」
「なんだったら通報されたかもしれない。」

と思ってその日一日はブルーな気分でしたが、幸いにも(?)苦情も通報もなかったようでした。







なーんてことを、子どもの騒音関連のことを見聞きすると思い出します。


私が産休に入る前までは、その後苦情も聞きませんでした。

現在はどうなっていることやら。