特別支援学校の生徒の進路指導についてなんですけど…
支援学校の教員としては
20歳から障害基礎年金を貰えること前提で進路先を斡旋していました。
どの学校でも大体そうだと思うんですけど…
↓進路先について長々と語っている過去記事
言い換えれば…
療育手帳を持っていれば、
(知的障害の伴わない発達障害などの場合、精神障害者保健福祉手帳)
20歳になった時に障害者年金の申請をきちんとすれば、
ほぼ確実に障害者年金をもらえるものだと思っていました。
なので、
支援学校に入学してきた児童生徒には手帳の取得をお勧めしていました。
しかし、
申請したのに障害基礎年金をもらえないことがあると他の方のブログで読んでびっくらこき、
インターネット様で調べてみた所
こんなものを発見
引用元
https://www.mhlw.go.jp/file/04-Houdouhappyou-12512000-Nenkinkyoku-Jigyoukanrika/0000075359.pdf
えーーー!
必要だから申請してるのに!
なんてことだ日本!!
酷い県だと24% 4人に1人じゃん!
しかもこれ10年前くらいのデータ。
最新のは見つけられなかった…。
最近は改善してきてるのか、もっと酷くなっているのか…。
支援学校の卒業生・保護者からしたら、
学校の教員に
「障害者枠の雇用で働こう。」
「学校が斡旋するから。」
「賃金は少ないけど、年金あるから大丈夫。」
と言われたので言う通りにした。
↓
20歳になって年金に落ちる。
学校は18歳で卒業してしまったので文句も言えない。
↓
障害者雇用の賃金のみだと生活が立ち行かない。
↓
転職したくても障害者雇用だからあまり有利な職歴にならず、就活が難航する。
↓
貧困に陥る。
とか地獄でしかない。
しかも年金落ちるということは、軽度〜ボーダーあたりの子達だと思うんですけど…。
支援学校高等部のボリュームゾーンですね…。
※
小学部・中学部は、重度〜中等度がボリュームゾーンです。
高等部になると一気に軽度〜ボーダーの子が入学しまくります。
(普通高校の入試を突破できない、内申点がつかずそもそも受験できない等の理由で。)
そのボリュームゾーンの子達は大抵
・障害者枠で就労
・就労移行支援
・就労継続支援A型(都会のみ)
あたりの進路に落ち着きますよね。
稀に専門学校行ったり高卒認定取ったりする人もいるっぽいですけど、めっちゃ稀です。
私は出会ったことがないです。
同僚の先生から又聞きの又聞きするくらい。
これらの進路で年金落ちたら大変なことになりますね…。
さすがに
・B型
・自立訓練
・生活介護
の子達は年金落ちないとは思いますが…。
私が読んだそのブログの中では
「支援学校の先生は何で頑なに障害者枠の雇用にこだわるんだ」
「そんな貧困になるような進路を勧めるなんて酷い」
的なコメントが多数ついていたんですけど、
いや、教師だって年金落ちるなんて予想できないよ。
賃金だけ見ればアルバイトだとしても一般枠の方が高いです。
それでも支援学校が障害者枠の雇用を勧めるのは
①福利厚生&ヤバい企業ブロック
福利厚生は言わずもがな
学校というお堅い機関を通すのでそもそも変な企業は近寄ってこないです。
②変な道へ進ませない
一般枠のアルバイトが続けばいいですけど…
続かなかった場合においしい話に騙されて利用されてしまう子がたまーーにいます。
よく聞くのは風俗、ホストクラブの呼び込み、振り込め詐欺とかの受け子あたりですね。
うちの地域だけ?田舎で治安が悪いからかしら…
という理由があったりします。
※
ご自分で納得されて風俗業、ホストクラブの呼び込みに従事する方を批判する意図はありません。
支援学校の子が《商売内容をよく理解してないが故に利用されてしまう》ことが問題だと思っています。
あと学校って
管理職とか
学部主任とか
(進路であれば進路指導主任とか)
ようはベテランの声が大きくなりがちです。
ベテランが
「障害者雇用なら間違いない!」
と言えば、周りの教員も
「そうなんだ!」
とよく調べずに同調してしまう風潮…。
これは
教員が、というより日本人の性質かもしれません。
そして、調べて異を唱えたところで
「学校の方針だから!」
でゴリ押しされたら逆らえないです。
地方公務員法に
"法令等及び上司の職務上の命令に従う義務"
とかいうのがありますからね。
ちーん。
年金落ちる可能性について…
教師側も知識をアップデートしていかなければいけないなと感じました。
というかそもそも
必要だから申請したのに落とすとかやめてほしい。