エジプトから帰国したその週末、実は「代表選考会」という来年度の代表選手を選考するための試合が開催された。
当事者にとってはものすごく重要な試合であり、全日本の結果からそこにエントリーできるかどうかが決まるのだけれど、決まって以降は必然的にそこにフォーカスしていくことになる。
だから、直前となるエジプト大会へのエントリーも悩むわけで、僕はエントリーを決めたけれど、エジプトへ行きながらもマクロでみれば意識は選考会に向いていた感が強くあったし、他の選手からもそのような声は聞こえてきた。
でもそれは当然のことだと自身を正当化する(笑)
というのは、翌年など先を考えたマネージメントは不可欠であり、その為にこの大会を、この試合をどうするのか、この1本をどう取るのかを考えながら動いていくわけだし、その積み重ねが「結果」となるので、ただ目先の事だけという訳にはいかないから。
だから、帰国後のスケジュールも慎重に考えた。
理想の形は組めなかったけれど、理想とかけ離れた部分をどう修正するか?調整するか?も考えてはいたから、そこに大きな不安はなかった。
不安があるとすればまさにコンディション。
でもそれも問題なく帰国できたし、帰国後の時間も問題なく過ごせた。
そして当日。
体調面も問題なく会場入りし、身体も申し分なく動かせていた。
で、結果は2位。
1位にならなければ!という思いで準備していたけれど、最後の試合をフルゲームのデュースで落としてしまう。
僕にとって、これは良くない結果だった。
何が悪かった?
振り返れば、そもそもになるが自身のマインドセットがしっかり出来ていなかった。
コンディションは悪くない、調子も悪くない。
だからそこに胡坐をかいていたのだと思える。
その前の試合に関しても、勝ちはしたけれど内容は悪かった。
勝った試合も落とした試合も、内容が悪い。
以前の僕なら負けていたと思えたし、フルゲームまでいっていないだろうなと思うような内容。
逆にそこはフィジカルの恩恵があっただけで、それ以外が機能していなかったように思える。
まさにマインドセットの失敗。
でもそれでこの結果は成長を実感出来る点でもあるのだけれど。
余談になるが、選考会前日には夕方からイベントがあった。
クラブチームの練習会に元日本代表を含む実業団トップ選手4人が来てくれたのだった。
その話をいただいた際はものすごく嬉しかったのだけれど、選考会前日、しかも夕方からというピンポイントのタイミングには正直自分の運を感じたりもした(笑)
でも、こんな機会はそうそうないので、逆にこの機会を活かし大いに学ぼうと思いその練習会には大手を振って臨む。
実際その学びは実に大きくこの上ない有意義な時間になったし、いただいた多くのアドバイスはそれ以来絶えず意識し取り組んでいて、そこに僕は今までにない発見や伸びしろ、新たな可能性を見いだせた感すらあるのだ。
これは僕にとってもチームのメンバーにとっても本当にありがたい時間・経験になった。
この場をお借りして、来てくださった選手の皆さんには厚く御礼申し上げたい。
そして選考会の翌週には千葉県旭市で日韓合同の合宿が開催され、僕もそこに参加させていただいた。
当初は日本代表合宿の予定だった。
けれど、韓国側から日韓国交正常化60周年を記念して、これからパラ卓球を通して交流を深めていかないかというオファーがあったそうで、それに応える形でまずは予定していた合宿に韓国が参加する形で実現したというもの。
開催に当たり旭市長立会いの下、日韓の代表者による調印式も行われ、今後の交流が約束された。
そういう場に参加させていただくという、これは実に良い時間になった。
国際大会では何度も顔を合わせている選手も複数いて、そんな選手でも試合会場でゆっくり話すとかコミュニケーションを取れるタイミングはそうそうないし、お互いあくまでも代表選手として試合に来ている訳だから、そういうタイミングがあっても互いのスケジュールもあり僅かな時間が取れるかどうかという程度。
でも今回は試合ではなく交流が主旨なのでコミュニケーションがメインであり、何も気兼ねなく雑談が出来れば練習も出来るという実に深く濃い良い時間だった。
シングルスやダブルスのゲームも行い、様々な形で交流できたことはすごく良かったし、またこの会を企画した韓国の主催者が「近くて遠い国とも言われるけれど・・・」とはっきり言っていたのが印象的だった。
ある意味そうした政治的主旨を含んだ場に自分が立ち合えたことに喜びと、逆に責務を覚えたし、自身の一挙手一投足がそこに影響を及ぼす(というのは恐れ多いがw)というくらいの意識でいることも僕は不可欠だと思えば、少なくともその意識がマイナスに働くことはないと思うのでそうすべきと思っている。
そもそも、国旗を胸に掲げたウェアを預かる身としてそれは365日全方位からの視線を常に心がけていなければならないと考える。
これは飲食時代に学んだことでもあり、パラ卓球という全く異なるステージにおいてもその意識は通じる部分があり、僕自身今もそうあるべきという考えからいつもそう心がけるようにしている。
そういう気持ちで挑むステージ、大会とは違ったスタンスのこの舞台に立てたこと、共有できたことは実に良い経験にもなった。
この合宿までが今年の僕のスケジュールの一区切りであり、これは思えば春からずっと続いていたのがようやく一区切りといった感じ。
でも12月ももちろん試合の予定はあるし、今後に向けたトレーニングのプランや実行はもちろん、仕事もあれば来年の予定に向けた準備もあるのでオフシーズンなんてものではなく、これまたそもそも、卓球にオフシーズンはないのだ(笑)
だから、身体を休めるのも選手それぞれの感覚で計画的にやっていることで、さらに僕は隙間時間に心の栄養補給を行うよう心がけている。
心の栄養とは?
僕の場合、美味しいものかなぁ。
僕が美味しいと思えるもの、というべきか。
食べることで喜びを覚える料理や食材のこと。
それを美味しく食べる。
そして、楽しく食べる。
人は動物として「食べる」ことで身体の栄養を摂取するのだけれど、「楽しく」あるいは「幸せを感じながら」食べることで、身体の栄養と同時に心の栄養も摂取できる、と飲食時代駆け出しのころに学んだ。
それもまた僕の哲学。
人間だからこそ、でもあるので、せっかく人間に生まれたのであれば、それを駆使しない手はない。
これも飲食駆け出しのころに教わった名言なのだけれど、恩師が「人間が食事をする回数は限られてるんだ!だから、不味いもの(楽しくない食事を含む)なんて食ってる暇はないんだよ!」というのが僕には深く刺さっている。
それがまた今の僕を支えてくれているのだな。
さぁ、頑張っていこう!
ウナギも良いな(笑)
寿司も良いな(笑)
阿蘇の馬刺しも食べたいけれど、焼肉も食べたい(笑)
人間の欲求は無限のエネルギー(笑)