日本の「巨人」は本当に戦っているのか?それとも果てる前の「老巨人」か? | キャベツは芯まで食べられる

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「インディアンは嘘つかない」理由を考える

・JailBreak(脱獄)。
 iPhoneに自由を与えること。
 それは夢を叶える為の無料で自由な事。
・定額パケット範囲のVOIPでの通信費削減。
・3G回線でのiPhoneの無線LANルーター化。

昔も今も、まだソフトバンクは
クリスアンダーソンが種分けする「アトム時代のフリー」に過ぎない。
孫正義が日本の通信業界の真の革命児になるか、
単なる次世代のステークホルダーかどうかは、
彼がこれらのユーザ―の行為に未来を感じつつも、
背負ってしまった「加入者数」という枷を抱えながら、
ビット社会のまだまだ懐深いバブルを読み、
「解放」できるかどうかで、我々は判定できるだろう。
ユーザ―は「自由」と「無料」を夢見ている。
そのフロンティアを、多くの事業者が近視眼的にしか利用していない。
古くはインセンティブモデル、割賦販売、そして、キャッシュバック。
「一年間や二年間」で「メーカー→キャリア→代理店→顧客までの過程」という
見える範囲のフローに着目した販売モデルだ。
だが、事業者がとる近視眼的なビジネスモデルは、
最近では多くの人々が看破し、
世間から次第に支持を失っていっている。

携帯電話を作っているメーカーは儲からないか?
そんな事は、よっぽど売れない限り、または
やり方がよっぽど下手ではない限り、ありえない。
年に4回の新製品発売だけじゃない。
修理を想像しよう。
携帯電話の修理代に我々は高額を払ったためしはないが、
キャリアからメーカーへは数万円の修理代が支払われている。
工賃である人件費を抜く為に、
修理せず交換をする事業者や機種(iPhone)も多いはずだ。
サービスを維持するインフラは、いったい何処がキャリアに売っているか?

携帯電話業界において通信キャリアは、
業界のフロントラインで、フローが安定する収支のラインで
運営していればいい、いわば
消費者へのアピアランス(見せかけ)な法人に過ぎない。
もちろん広告費にも、コンテンツ開発費にも、サポート費用にも
充てられているだろう。
しかし、キャリアにとってこれらは、いつでも切り捨てられる費用だ。
よく考えるとキャリアは、
機構全体を維持する為の利益を吸い上げる役割を持つのみだ。
この機構においては、
メーカーが利益を吸収する構造だ。
だからガラパゴスなのである。

「島国日本だからガラパゴス」という保守受けのいい誤読ではない。
旧態の企業(ステークホルダー)が
社会、経済構造を作り上げ、利益を吸収している。
旧態の企業とは、日本の家電メーカー群のことだ。
家電メーカー群が勝手に作ったものを売る為の日本市場。
これが携帯電話におけるガラパゴスの本当の姿だ。
だから、当然の帰結で
「購買欲(購買力)のない消費者に買ってもらう為のキャッシュバック」
等という、消費者は未来にコストを払う事になるキャンペーンが
販売の現場で行われる。
ガラパゴスには良い効果や恩恵も当然ある。
しかし、与える側が一方的に与えている市場には、
消費者が本当に望むニーズが反映しにくく、
技術の国際競争力が低下する。

ワンセグもFeliCaも供給側が生み出した需要だった。
でも、それを、楽しんだり便利と思っている人々もいるから、
そんな彼らはそれで満足だろう。
満足はいい事だが、創造はしない。
しかし、気付く消費者は、
次の時代を築く素養がある故に気付いてしまう。
「できそうなのに、やっぱ、できないんだ」とがっかりする。
昔々は違ったはずだ。
「飛びたいけど、どうやったら飛べるか」を技術で実現した人達がいた。

いま、ライト兄弟のように突き進むには、最低2人は必要だ。
レガシーな社会構造を紐解くゲームを楽しむ先駆者と、
真実のものに感性を釘付けにされ、見失わない先駆者と。
いずれの才能も独りで持ち得るには、人生は短すぎる。
もしかしたら、天才が現れるかもしれない、と
僕のような凡庸な人間は待つしかないのか?

一方で、
既に日本にいる「巨人」が一瞬で市場を変える力をもっている
ということに気が付かない今の日本に、もどかしくも思う。
個人やベンチャーにはチャンスだが。

ラピュタの巨神兵はやさしいが、滅びて行く。
アラジンのランプの巨人は夢を叶える。

追記
これは長いつぶやきです。
僕は、判ってない事も多い、単なる一般人なので、
調査した事実や精緻な分析に基づくものじゃありません。
レヴューでもないし、ましてや
どこかの誰かや法人を攻撃するつもりも毛頭ありません。
たぶん間違っているところも所々あるだろうし。
トロンとか日本でも先駆者がいたなあと思いつつ、
また、IT系メディアの収益構造などを思いながら、
欲しいものが開発されない歯痒さを感じて書きました。
「free」読後(実は途中)の印象でもあり、
おとといiPhoneにも乗り換えたので、その新鮮な感動も混じってます。
すみません。