【お題】
1.ブービー賞
2.テレビ
3.魔法
隠し縛りとしてジャンル「現代」が追加されています。
【まえがき】
こんばんは、夏海です![]()
最終話「4.「魔法」のような恋のはじまり」をアップしました。
なんとか、完結しました![]()
王道通り、ハッピーエンドです![]()
-------------------------------------------------------------------
4.「魔法」のような恋のはじまり
「ちょ……急に何言って…」
どもってしまう自分が情けない。顔もまっすぐ見られない自分。本当に男らしいのは、おれかともこか。
まあ、とにもかくにも、これは最初で最後、女神さまがおれにくれたチャンスに違いないのだ。
「あっ…あのっ……ともこ、あらためて、おれはともこのことが好きです。こんな不甲斐ないおれでよければ、付き合ってください!」
ばっと振りかぶるようにして頭を下げる。「お願いします」の心を込めて。あと、おれの情けなさ・不甲斐のなさが申し訳なさすぎて。
いつかともこと恋人同士になりたい。高校に入学した時から、ずっと憧れていた。
だから、今のこの瞬間は、おれにとっては夢のよう。まるで、魔法使いが杖を振って魔法をかけてくれたかのようだ。
「ほんとに、ともこはこんなおれでいいのか…?」
「バカっ、恥ずかしいこと何度も女の子に言わせるなって言ってるでしょ!」
本気で怒られた。おれはそれを、Yesと受け取った。
「じゃあ、ともこは、おれでいいんだって思うことにするから。異議申し立てがあるなら今のうちだぞ!」
恥ずかしさ半分、半ばやけくそにおれは叫んだ。
「今、NOって言わなかったら、明日からみんなの前で「おれの彼女」って紹介するからな」
「ちょっ……それはいやっ。みんなはわたしたちのこと友達だと思ってるのに…」
「さあ、そんなことは知らないなぁー。今日でともこの家も覚えたことだし、明日から朝は迎えに来るから、一緒に登校な」
「ちょっ、だからさ……!」
ともこの必死さがかわいくて、愛しい。もっともっと苛めたくなるけれど、泣かれては嫌なのでぐっと我慢する。
そして、真剣に言った。
「あのさ、おれら、高校卒業まであと1年だろ。こうして一緒にいられるのも、今だけじゃん。
だから、高校時代の今の貴重な時間――プレシャスタイムを大切にしたいんだ。……だめか?」
「……わかった」
ともこはそっとまつ毛を伏せた。おれは、そんなともこの髪の毛をそっと撫でた。
「……わたし、犬じゃないんだけど」
むっとしたようにともこは言ったが、抵抗しようとはしない。
ずっと、こんな風におだやかで幸せな時間が続けばいいのに。
この日から、おれとともこは公式に「恋人」の関係になった。
ちゃんと学校でも、「彼氏」「彼女」として周囲には認識されるようになった。
周りからからかわれるから、はじめは照れて嫌がっていたともこだったが、今ではもうすっかり「恋人」や「彼氏」という単語にも慣れたようだ。
今となっては、もはやおれがともこの尻に敷かれているような状態だ。
よくよく考えてみれば、ともこと晴れて恋人同士になれたのも、ともこの男らしい勇気ある行動のおかげだった。
最近の世の中は、女性の男性化が進んでいるというが、ともこの件でそれは本当だとつくづくと実感した。
ともこが、おれの分まで十分男らしいので、おれはこのまま情けなくて不甲斐ない、ブービー賞のおれのままでもいいんじゃないかと思うようにすらなってきた。
それを口に出すと、ともこは怒るけれど。
でも、ともこはこんなブービー賞なおれでも好きになってくれたのだから、おれはブービー賞な自分にもっと自信を持とうと思う。
もっともっと、ともこに好きになってもらえるように。
そして今度は、いつかともこと結婚できるように―――。
Fin
-------------------------------------------------------------------
【あとがき】
最後までお付き合いくださったみなさま、どうもありがとうございました![]()
あとは、望月先生の作品を待つのみ
です![]()