特養の二人 | パラミタ、発動す

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日々感じたこと、読んだ本のこと、聴いた曲のことなど、書きたいことを書いています。

2016.1.18(月)
前回が2014年11月だから、ずいぶんとご無沙汰だ。
あれから我が家のジジ&ババは、2015年1月から近所の特別養護ホームにロングで入ることになった。

それを聞いた人は一様に「なんてラッキーやの! うらやましいわ」と口を揃えて言う。
そう。僕もほんまにラッキーやと心から思う。
だってね、入れない待機老人52万人といわれるだけに、
すんなり入れたという感じやもんね。

でも、すんなりだったが、いろんな幸運が重なった。
それをここで並べるのはデリケートな問題も含んでいるので言わないが、
ただ、決して金額は安くはない。

毎月の請求額は、二人がもらっている年金では払えない。
これまでバアさんが貯めた貯金から切り崩し、もしそれが底をついたら
当然僕が払うことになる。

貯金はもし、特養に入らなかったら丸々資産として残るだろうが、
そんなことよりも、特養に入ってもらうほうがどんなに精神衛生にいいか。

先週、ジジ&ババが使っていた水棚を整理して捨てた。
屋根裏も整理して、ジジ&ババの物も大量に捨てた。
たぶんもう帰ってくることはできないだろうからね。

これでようやく妻が「やっとホッとできた」と言う。
「物」にも何か呪縛する力があるのだろう。

この年末年始にジジ&ババは2泊3日で帰ってきた。
妻は反対したが、僕は当然の感覚でいたのだが。

それで、バアさんの認知症がかなり進んでいるのが認識できた。
ほとんど歩けないし、僕のことも誰だか分からない時がある。
そして過去のことは何も覚えていないのだと言う。

ジイさんは酒の飲み過ぎで、元旦の夜、苦しみ出した。
おしっこが出ないのだという。

近所の救急病院に連れて行くと、おちんちんに管を通された。
かなり痛かったようだが、たまっていたおしっこが出てスッキリしたと話す。

酒の代償はでかい。

僕はもうこれで最後だと思った。
ジジ&ババもまた家に帰って来て、大好きな酒を飲みたいだろうけど、
今回の年末年始が最後になっただろう。

夜中、何をするかわからないから2晩とも僕はバアさんに寄り添い、
眠ることはほとんどできなかった。

とてもじゃないけど、二人の面倒をみるのは無理だ。
ああ、特養に入れてもらえてて良かった~。心からそう思う。