MOON -16ページ目
ふと寂しくなる
理由はない
ただ寂しくなる
あぁきっと春が近いからだ
もうすぐ春がやってくる
明日を気にして今日を無駄に生きる
毎日毎日明日を不安に思って
今日という日が無駄に過ぎていく
友と呼べた人はあと何人残っているだろう
SNS上での繋がりしか残っていない
そんな人達ばかりだった
どんな事で笑いあっていたのだろう
どんな話を毎日していたのだろう
君たちはどう生きているのだろう
くだらないことをしたねって
昔を懐かしく笑い合う人はいなくなった
あんな事もあったよねって
振り返ってくれる人はいなくなった
誰かと向き合う事を拒んだ私が
自ら招いた不幸だ
大人と呼ばれる歳になって
社会に出て収入を得て
学生の頃から欲しかったものを
順番に買っていった
物は沢山増えていくのに
それと同時に心はすり減っていく
満たされる筈が満たされない
買いたい物がまだ買えていないのか
でも、もう、欲しかったものの
大半は自分の手元にあって、
それなのに、渇いていく
満たされない満たされない
悲しくなる一方だ
これが大人になるということなのか
雷を怖いと感じるようになったのは
果たしていつからだっただろうか
屁理屈ばかりを言って
別に好かれなくてもいいと豪語していた
実際は好いてもらえないだけだった
紙のようにクシャクシャと丸めて
ゴミ箱に捨ててしまいたい過去ばかりだ
深く潜る決意もなく
周囲が意を決して潜っていく姿を
ただただ眺めていた
穴の深さはどれくらい?
息はできる?
視界はどう?
怖くはない?
潜っていく後ろ姿にぼやく
返事はなくてただ私だけが取り残される
あの人の吐いた言葉の意味が理解出来ずに
自暴自棄に生き急ぐ

