MOON -14ページ目
失いたくないと
言葉にすることすら恐れて
気付けば遠くへ行ってしまった
繋ぎそびれた手には
もう届く事はない
ふと覗いた窓の外の景色が
酷く霞んで見えた
時間は経てど寂しさは、虚しさは
癒える事なく募っていく
私の知らない事が増えていく
ガラス玉から見た逆さの世界
水溜りの中にある世界
パラレルワールドが広がる
人を愛するとはなんなのか
この歳になっても答えが見つからない
誰かを想って泣くこともなく
誰かを思い出す日々もない
LINEの返信をまだかまだかと待つこともない
街が眠りにつく頃に
目を覚まし動き出す
仕事のせいもあって昼夜が逆転
誰かと言葉を交わす事も少なくなった
何故私達は明日を信じて疑わないのだろう
また会えた時でいいやと先延ばしにする
いつ誰が明日を迎えないかもしれない事を
忘れきった日常
明日は、明日は、
私にもちゃんと明日はくるだろうか
零れ落ちていく
感情が消えていく
夢の中に逃げてしまおう
ドラムの刻む音が
心臓まで響き渡り心地よかった
音が色付く
部屋中に街中に広がっていく
向上心がない
前を向くのが、走り抜けるのが、
億劫になって、面倒になって、
人が私から離れていって
夢が私から離れていって
現実が私から離れていって
広がる差に、増える恐怖に
なす術をなくした
目を閉じ思考を止める
世界が色付く一方で私は色を失う
自由を願う一方で不自由こそ自由とも思う

