ドキュメンタリー映画は二つ
被写体を追ってくいわゆる「実録」ものと
もう亡くなられた方の業績を追い
近しい人たちの証言や、存命だった頃のアーカイブなどから構成してくものがある
平成最後に滑り込んで見たビル・エヴァンスも
この「マックイーン モードの反逆児」も後者の作品
存命なうちにそれが作られるには
あまりに生き急ぎな人生、とも言えるけど
一瞬一瞬にものすごく正直で
嘘つけないタイプだったのかなと捉えると
頷けるところが沢山。
そして、ファッション系のドキュメンタリーは
その人の仕事っぷりを見ちゃうね。やっぱり。
☆☆☆☆★
ロンドンの労働者階級の街イーストエンドに生まれ育ち、日々の食費にも困っていた青年が、失業保険を資金に23歳にしてファッションデザイナーとしてデビュー。次々と開いたセンセーショナルなショーは、大絶賛とバッシングの真っ二つに分かれ、彼の名前〈アレキサンダー・マックイーン〉は、たちまち世に広まった。そして1996年、弱冠27歳で、エレガントで名高いパリのグランメゾン〈ジバンシィ〉のデザイナーに抜擢されて世間を驚かせる。一方で、自身のブランドのショーはますます過激になり、〈モードの反逆児〉と名付けられるが名声は高まるばかり。34歳だった2003年には英国女王から大英帝国勲章(CBE)を授与されるまで上りつめる。ところが、富と名声の絶頂期にいた40歳で突然、自ら命を絶ってしまう。いったい彼はどんな人物で、いかにして現代のおとぎ話のような成功を果たし、なぜ燃え尽きてしまったのか?
(公式サイトより)
★★★★☆ 2019.4.30
花柄、シフォン…最悪のショーだと言った、そのジバンシイに引き抜かれるあたりが、仕合わせてるとしか思えないw^_^
「閃くのは最後の最後 いつも何かが降りてくる
兆しを いつも探してる」
スクリーンに響くのがマイケル・ナイマンなのは、ショーと同じでまぁ当然としても
使われる曲が曲なんで「マン・オン・ワイヤー」と被りすぎ!プティの顔がチラチラするわ!…と内心ツッコミ入れてたw
それでも“リー”の強烈さは、もちろん変わらないけれど。
いや、表に出すものが、放出されるものが強烈であればあるほど
彼自身の内面の
孤独さ加減に泣ける(T ^ T)
彼の数字は9-9-7
(ビル・エヴァンスと同じくLP9)
そしてLLが二人とも2、7
(それぞれD7、S7と被り)
人付き合いベタよね〜そして
流され方向が、二人とも破滅方向なのが切ない…
彼の場合、流され方向というより
振り切れ具合といった方がいいのかも。
その振り切れ方が、あの表現になるのだから、もちろん素晴らしいのだけど
「兆しをいつも探してる」って
そんな兆しにまで乗るんじゃねぇと
こっちは言いたくなるわけで
自死に至るヒトは
やっぱしどこか“お役目”を終えた方なのだと
でなければあんな強烈な表現など
表せるものでは無かったろうと
そう感じるのです。
…彼のスカルイメージは
朽ちるものの美しさの象徴みたいね。
★★★★☆ 2019.5.22
二度目。
終映間近のレイトショーは、程よく空いてて落ち着く。
スクリーン上は、落ち着くどころじゃないけど^_^
『耳をふさぎ 服を美しいと思う人に
現実を伝えたい』
という彼のショーは
奇をてらうなんていう甘っちょろさは皆無で
マイケル・ナイマンの音楽と相まって
どこか深いところで、煽ってくるようだ
そしてスクリーンを離れても
マイケル・ナイマンウイークの如く
サントラが脳内でリアルで再生中♪
一度目はプティの顔がチラチラするとボヤいたが
二度目もチラチラ…はするものの
もっと深いところへ入ってく
(やっぱり私は音から受け取るものが多い^_^)
『日曜日のランチのような気分で帰って欲しくない
最悪の気分か、浮かれた気分か
どっちかで帰って欲しい』
どっちでもいい、ただ
どっちでもない、はノーサンキュー
賛否両論もちろんウェルカムいらっしゃい
酷評されても、賛美されても
両方あっての世界だろ?
…とでも言いたげ。
さすが9-9-7の美意識!
つくる人は、生み出す人は、振り切れてなんぼ
9の表現が本気出すとこんなもんよ(ドヤ顔)みたいだw^_^
…「感情の整理」という言葉に、常々違和感を感じていて。
常にデフォルトで感情を爆発させちゃうような、それで周りが云々…という方には「整理」なのかもしれないけど
エモーショナルって、そんな四角四面じゃないよね。と感じていた
彼の表現は
抱え続けた闇をライトの下へ引っ張り出す
感情の昇華みたいに見える
ショーが終わった後の、彼のハンパない落ちようが、晴れない闇なんだなとわかる
『ショーが終わっても 翌朝にはミルクがいる』という言葉の通り
彼がショーを離れたところで、不器用に持ち続けた『見せたい現実』は
ただストレートに出せなかった沢山の感情たち
それが姿を変えてランウェイを歩く時には
彼の中では終わってる(完結してる)から
こちらは(思考は)ただ只、見守るしかないのね。
彼の言う「兆し」は
振り切れるためのものなのか。
それも、数の仕合わせ。
★★★☆☆
《かずの葉の庭》主宰
|★|高橋 早苗Facebook
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