(2019.4.2)
真っ暗なスクリーン
いつまでたっても音だけ…と
気づいた瞬間から、この映画は始まる。なぜなら
“見える”こちらは、そのうち映像が現れるのだろうとぼんやりうっかり期待しているのだもの。
そこに気づいた時は思わず笑っちゃったよ笑。
まるで、おまえはその見える眼で、
一体何を見ているんだ?と
鼻で笑われてる気すらしたのよ^_^
視覚がなく、光すら感じたことのない全盲の加藤秀幸は、ある日映画を作ることを決める。加藤は、映画制作におけるさまざまな過程を通して、顔や色の実体、2Dで表現することなど、視覚から見た世界を知っていく。また、加藤と共に製作する見えるスタッフも、加藤を通して視覚のない世界を垣間見る。見えない加藤と見えるスタッフ、それぞれが互いの頭の中にある“イメージ”を想像しながら、映画がつくられていく。
(公式サイトより)
↑このトップページがイイ♪
ま、こちらのそんな周回遅れなど
どうでもよくて。
スクリーンに光が当たった時にはもう
そこに1人の男がいて
映画を創りたいと言い
脚本を書き
それを形にするために
見ることができる人たちと
想いを共有し始めていた。
見る前提のこちらは
…これ、ラジオドラマでいいんじゃね?
と思うが、加藤さんは
「んー(ラジオドラマが)分からない」
と言う。
(観ながら思ったそばからスクリーン上で同じ会話に笑うw)
あ、そうかそうなのか。
こちらは頷くしかないwハイ。
終始そんな感じで
加藤さんの
周囲とのやりとりが
え、それいるの?
ああ、そうか。
“見る”以外の方法で、捉える必要があるのね。
と、いちいち見る前提で反応しw
後からその前提、外すんだわと
納得していく。
自分の中の「非言語」に注目していたこのタイミングでこの映画
五感とはまた違うトコロを刺激されてるみたいで
?浮かびつつ💡ピンとくるやら後から可笑しいやら。
そのうち
加藤さんは見る必要のない人で
この映画を見てる私たちは
見ないと分からない、ある意味不自由な人たちなのかとw
そう思えてくる^_^
見る必要のない人が
見ないと分からない人たちと
つくる映画
その過程で
「見る」以外の方法で
創りたいシーンやキャラクターを
捉えて、共有してく作業は
映画「セッション」の
激しい師弟対決が
淡々と粛々と行われてるみたいにも見えます^_^
(相棒になる二人が相見えるシーンはカッコイイドラムやし♪)
ある方の
「(加藤さんの中に)イメージはキッチリある
こちらは想像するしかない」
という言葉が象徴してる
加藤さんの中にあるヴィジョンを
外に出してく
周りは想像するしかなくて
それを形にしてく
言語、音、色、空間、
そして関わる人たちとの間に生まれる「違い」
その違いから
形になっていく
加藤さんが下手に(?)見えてたら
短編「GHOST VISION」は全く違ったものになったのだろうなぁ。
四つのパートに分かれることもなかったのかも。
人は共感でつながれる。
共感しなくても、ただ違いを捉え認め合うだけでもつながれる。
「同じ」じゃなく
「違う」でも
いや、何かを作るときには「違う」ことこそ大事なのだわ。と教えてくれる映画ね。
とりあえずもう一度観たい。
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2019.4.21 追記
どうしてももう一度観たくてUPLINK渋谷へ。
2度目はきっと、捉え方が全く変わるのだろうとドキドキしながら観た
真っ暗なスクリーンを前にして
一度目に得た情報を元に
響く音声に沿って
場面を脳内再生してる自分がいて
加藤さんの頭の中では
これはあるかな?
…あ、ないわ。
だって一度として見たことないんだもの。
と独りごちる。
音声の脚本、色環、レゴブロック、粘土…
沢山のツールで、皆と作りたいものを共有してく様は
2度目の方が更に面白い。
「GHOST VISION」のクライマックス、“現場”を俯瞰で現したのは
ひとつのポイントのように感じたわ。
続編がもしあるとして、よくあるバディムービーにはならないよね。なりようもないかw^_^
だけど興味ある!
見ることを知らない者と
見えないことを知らない者が
見ることと
見えないことを
お互いに知ってく映画
見える者が
見えない能力(思念)を使うように
見えない者が
見ずに捉えてる世界
見えないことで持つ力…
トークショーではやっぱり出ましたよね。お決まり?の質問。
加藤さんの回答を聴きながら
加藤さんにとっての“ネコ”は
どこか捉えきれない
2Dなのかな。とふと思った。
公式サイト

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