男と女は欠けたもの同士ー「キリクと魔女」 | ​ 観るチカラを、生きる糧に。 ー SCREEN(私設)研究所

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潜在数秘術×映画で
「観る」ことと心の関係を
映画を通して読み解いていきます。

フランス語の響きって
聞くたびに感じる


子どもの「なぜ?どうして?」を
よく表わしているなぁ、とね

Pourquoi!^^



こんにちは。
高橋 早苗です




1998年の映画
「キリクと魔女」
Kirikou et la Sorcière



アフリカらしい、色鮮やかさが目を引く作品です
日本では2003年にスタジオジブリが日本語版を制作していますね










自らの意志で生まれた
ちいさな子、キリク。



彼は、その強い好奇心を持って
村から水を奪い
黄金(きん)を奪い
男たちを奪い貪り食うという
魔女カラバに、真っ向立ち向かいます


『どうしてお前は意地悪なのか?』




あんぐりと口を開けて驚くカラバを気にもせず
彼は問い続ける



『ぼくはキリクだ
 したいことはひとつ
 ぼくは知りたいんだ
 どうしてお前は意地悪なのか?』






その『なぜ?どうして?』を
行動に変えて
ちいさな子どもは
村を救うというお話だけど



私は、クライマックスの
カラバとキリクのやりとりに
パートナーシップを強く感じました



魔女カラバは苦しんでいる

物語の中では
詳しくは語られないけれど
男たちに押さえつけられ苦しめられた女の
苦しみと憎しみ
それがカラバに大きな力を与え
カラバを魔女たらしめている

その、背中に深く打ち込まれた「毒入りのトゲ」



毒入りのトゲを抜かれるようなことがあったら
あの苦しみをまた味わうことになると
怖れている
だから彼女は その秘密をひた隠しにし
誰にも背中を見せない



彼女は
怒りと憎しみで武装し
自分ではそうとも思わずに
いまも苦しみを味わい続けている



キリクは
彼のルーツといえる存在<お山の賢者>に会い
魔女カラバの秘密を知り
『ぼくがトゲを抜いてやる』と言い放ちます



『出来なければ死ぬ』
とまで言い切って。
彼なりのリスクの取り方。
そしてその通りに実行するのです



苦しみと憎しみ、怒りを手放したカラバ
『私は自由なんだ!』と喜び
目の前に立つちいさな子を前にして
『この感謝の気持ちをどう表せばよいのだろう』
と戸惑います



キスをねだるキリク
カラバが唇を重ねた時
ちいさな子どもは大きく成長します



男になったキリクが
優しくカラバを見下ろす

『ほらね
 お前は失ったわけじゃないんだ
 力のすべてを』




欠けたもの同士が
ぴったりとくっついて
完璧な円を描いたように、観えたのよ^^











(母子のやりとりもすごくいいの♪
 子どものなぜ?を決して見放さない母)




男と女は欠けたもの同士
それを知らずに生まれてくるから
『なぜ?どうして?』が
世界を切り開くのですね



Pourquoi!^^





「キリクと魔女」公式サイト






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