人は、味わうことを忘れてしまう ー 「幸せのレシピ No Reservations」 | ​ 観るチカラを、生きる糧に。 ー SCREEN(私設)研究所

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観る映画が、あなたの、わたしの、人生のヒントになる。
ここは、SCREEN(私設)研究所。

潜在数秘術×映画で
「観る」ことと心の関係を
映画を通して読み解いていきます。

こんにちは
高橋 早苗です。




2007年のアメリカ映画
「幸せのレシピ」NO RESERVATIONS



ドイツ映画「マーサの幸せレシピ」のリメイク版でもあります。












|| 彼女の聖域=厨房 ||





NY
ブリーカー通りのレストランで
シェフをつとめるケイト



自分の厨房では 完璧に仕事をこなす
望み通りに 人生を築き上げてきたひと




唯一の肉親 姉が交通事故で亡くなる
残された一人娘ゾーイ を引き取り
彼女の毎日は 変わり始める



事故のショックか なかなか心を開かない姪に振り回され
1週間ぶりに仕事に戻れば 新顔が厨房を席巻してる




自分とは真逆のスタイルで 仕事を楽しむ男ニック
すべてをコントロールしてきた彼女に
思うに任せない状況は ただストレス

だけど、そのつらさを 開けっ広げに晒せない
助けて!とも 言えない



どこまでも 大人の対応をするケイト







|| 食べない人が、食べる時 見えない人が、見えた時 ||





ある日 彼女は
何を作っても食べないゾーイを 厨房に連れていく



ケイトが 得意客への挨拶にエプロンを外している間に
ゾーイは ニックが作ったトマトのパスタを 貪るように食べていた。



パバロッティを聞きながらナイフを握る、イタリアかぶれの軽い男!
・・・と思っていた ニックへの見方が変わっていく



ゾーイとの距離を縮めるにつれ
ニックとも近づいていくケイト

だけど ゾーイと自分自身のために
休暇をとっている間に

彼女の聖域ともいえる厨房は ニックが切り盛りし
その色を変えていた



ニックを厨房から追い出し
自分の視界からも 追い出してしまうケイト




|| 私の、人生のレシピ? ||




行き詰まった彼女がつぶやく
 「人生のレシピが欲しい」



レシピをつくり 再現してきた彼女は
望む人生を築き上げてきた中で 自らに課したルールのように
レシピさえあれば 失敗しなくてすむと思っている



セラピストが言う
「自分でつくったレシピがベストだよ」
どうすればいいのかは 君が一番よく分かっている。と
 



いつも 材料に合わせて つくり続けて来たのに
こと「ジブン」には、ずーーーーーーーっと同じレシピだったわけね。




人は 作り慣れた味が ある時不味くなっても
まるで美味しそうに 食べ続けることがある


味わうことを、忘れてしまう。



灰汁の強い野菜に「えぐみ」があるように
味わい深さは、一筋縄ではいかないもの。



あなたの人生にいま 思うに任せないことがあるなら
見ないふりをしないで 避けようとしないで、
一度、味わってみるといい。



とことん、味わった後に、それは
あなたのレシピの、隠し味になる。



再現できない 一度きりのレシピ・・・
それこそが あなたの人生。




(ゾーイが食べる、ニックの作ったトマトのパスタはマジ美味そう^^)





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