見えないが、いるな?ー「ベルリン・天使の詩 Der Himmel über Berlin」 | ​ 観るチカラを、生きる糧に。 ー SCREEN(私設)研究所

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潜在数秘術×映画で
「観る」ことと心の関係を
映画を通して読み解いていきます。

コンサルティング【consulting】
専門家の立場から相談にのったり指導したりすること。また、企画・立案を手伝うこと。

☆☆★☆☆





私が
幕張セミナーの後
5ヶ月に渡って受けてきた
二人の師匠のコンサル中
私の頭の中には
何度も何度も
この映画が浮かんでいました



ヴィム・ヴェンダース監督の
1887年の映画
「ベルリン・天使の詩」

まだ
ベルリンの壁が存在していた頃の
ベルリンが舞台です。





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||ロングコートの天使||



ー子どもは子どもだった頃 いつも不思議だったー
ーなぜ僕は僕で 君でない?
 なぜ僕はここにいて そこにいない?ー



人が生まれるずっとずっと以前から
世界を“外から”眺めてきた天使たち



「天使」のイメージを一変させてくれる映画です
なぜなら、その姿は
黒いロングコートのおっちゃん二人だから。笑



天使は 世界の至るところにいます。


街角で幸せなキスをする恋人たちのそばに
電車の中でへたりこみ 職を失ったと嘆く男のそばに
救急搬送される妊婦のそばに
夫婦喧嘩している二人のそばに
ビルの屋上から 飛び降りようと身を乗り出す男のそばに
バイク事故で 意識を失う男のそばに

そして、見えないけど天使の存在に気づく子どものそばに。



「ただ見守り 集め 証言し 守るだけでいい」という
天使カシエルとは違い


天使ダミエルは
 霊でいることは素晴らしい と思いつつも
霊でいることにうんざりもしている


そんな彼が
サーカスのブランコ乗り
マリオンに恋をした。




||天使を知っているおとな||



天使の姿は、大人には見えないのだけど
ダミエルの存在に気づいていた大人がいます。


それが
ベルリンの街へ映画の撮影に来た
“コロンボ”ピーター・フォーク

彼は
街角のコーヒースタンドで
ダミエルに向かって語りかけます


『見えないが、いるな? 感じてる』


ダミエルは
本当に見えているのか?
と辺りを伺いキョロキョロ


コーヒースタンドの主は
もっとキョロキョロ

見てはいけないものを見た!
ともう、ガン見ですw

コロンボが
なんだかわからないが
空中に向かって話しかけてるぞ!
ってなもんでw



コロンボはもちろん
そんなことはお構いなし


君の顔が見たい
 こっちがどんなにいいか教えてやりたい

 すてきなことが山ほどある 

 でも君はいない 僕はいる
 こっちに来たらいいのに
 話が出来たらいいのに
』 


 友だちだからさ、と
 『兄弟!』と
 ダミエルに握手の右手を差し出します。

 ダミエルも
 不思議に思いながらも彼に応える




ー天使は人に恋をすると死ぬー


ダミエルは
 世界の外はもういい 歴史の中に入っていく

そう言って
「死んで」人間になります。




空から落ちてきた天使の鎧で
目を覚ます
ふと気づき
触れて
指についた
何かもわからないものを舐めて
ニヤリとする

これか!



道行く人をつかまえ
壁画を指差し
あれは何色?
あれは?
と聞きまくる

今日はとても寒い?
と聞く


そう
色も
味も
肌触りも
足跡も
何もかもが
初めて!




両手を摺り合わせて温かさと寒さを知る
初めてのコーヒーはどんな味?
道を歩けば
車の邪魔になることも
歩き続けなければ
行きたいところへ辿り着けないことも知る






||生の歓び 天使の秘密||




人間になったダミエルは
コロンボと「再会」します


コロンボはすぐに気づく
『君か!うれしいな どうだい?』



何もかもが初めての経験で
興奮しているダミエルは言葉が追いつかない
そんなダミエルに
彼は
ほんの少しの金と
火をつけたたばこを差し出します



そして打ち明ける
自分もかつて
天使だったことを




もっと話を!
知りたいんだ 何もかも!
というダミエルに

『自分で発見しろ 面白いよ』
と言い
コロンボは撮影現場に消えていく


ダミエルは
マリオンを探して
ベルリンの街を走る





||偶然はもうおしまい||





マリオンは
サーカスが解散し
ひとりぼっちになります。

『人生折りに身をかがめるのは平気』
と言いながらも
ブランコ乗りを諦め
ウェイトレスに舞い戻ることに
やり切れなさを感じている



彼女にとって
ベルリンは
「迷子にもなれない どこへ行っても壁の街」



カシエルの導きか
ダミエルは
マリオンを見つけ出し
そしてふたりは結ばれます


そして
マリオンも
それとは知らず
天使に気づいていたことを知る


『私たちの決断は この街の すべての世界の決断なの』



「ベルリン・天使の詩」
というタイトル通り
全編すべてが、詩です。

台詞も
カメラも
音も
すべてが
物語っている




||天使は、至るところにいます||





なぜ、これが師匠?コンサル?というのは

コンサル初期は
ダミエルとカシエルの二人が
ベルリンの街を見下ろすイメージ
これが、二人の師匠が
私たち・・・セルフイメージどん底の自己否定感と罪悪感、劣等感やら被害者意識やら何やらをてんこ盛りで抱え込んでいた 私たちコンサル生を
師匠ふたりが外から眺めてるイメージと重なり


コンサルが進むにつれて
ふたりの天使が“コロンボ”と相対する
『君の顔が見たい
 こっちがどんなにいいか教えてやりたい』
この台詞がぴったりハマる


みんな間違いなく
自分の「顔」を探していた。

師匠は
「見えないが、いるな?」と
私たちの中の可能性をずっと
問い続けてくれていました



天使が
自らの意思で「死」を選び
新しい存在
「人間」になる



...これはもう
みんながそれぞれやること決めて
動き出したことそのままだし



「流れに降りるよ」と言ったダミエルと
「ずっとひとりだった」と言うマリオン


ふたりは
「流れに降りる」=違う世界(自分だけのビジネス)
「ずっとひとりだった」=やりたいことにブレーキを掛けていた障害(自分自身)
に観えて



ふたりが結ばれるのは 文字通り
男性性と女性性の統合と
捉えられるし



ラストシーンの
ダミエルのつぶやき


『何かが起こった 今も起こり続けてる
 あらがい難い力で』


これは
自分自身に目覚めた
視界(Sight)が変わった私たち
そのものの言葉



とまぁ、書き出したらば
なぁに
この完璧なまでのシナリオは!
みたいなびっくり感で
この5ヶ月を一本の映画で振り返ってしまいました。笑




あ、ちなみに
二人の師匠は天使じゃございません
ロングコートも着てません
コロンボばりに
「ウチのかみさんがね」とかも言いませんw


おしゃれな、イケメン二人ですラブラブ
証拠写真♪はこちら