理由はない。S1のまっすぐな矢 ー「マン・オン・ワイヤー MAN ON WIRE」 | ​ 観るチカラを、生きる糧に。 ー SCREEN(私設)研究所

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観る映画が、あなたの、わたしの、人生のヒントになる。
ここは、SCREEN(私設)研究所。

潜在数秘術×映画で
「観る」ことと心の関係を
映画を通して読み解いていきます。

2014年、2009年投稿のリライト記事です)




1974

ひとりの男が

NYのワールド・トレードセンター

あのツインタワーの間を綱渡りした

その記録。


予告編見て 絶対観ようって決めてた。




17歳の時 歯医者の待合室で

建設を伝える記事を見つけ

まだ存在すらしていないものの 綱渡りを夢見た


あの不快な音に紛れて 新聞を破り

治療も待たずに飛び出した

それから 夢は始まった








彼、フィリップ・プティの言葉。

「どう考えても不可能に見えた

 じゃあやろう」





友人が「あのタワーは彼のためにあった」と言うほど

夢は 彼自身にとって

「予定」といってもいいもので





“決行”を前に

「夢を実現させる中での死なら

 それも美しい」

と言うプティの言葉にも現れている





その日の朝

綱の上で微笑む プティの姿には

ただただ驚嘆するしかなく

跪き、座り、寝そべり

45分もの間、空中散歩を楽しんだ。






逮捕されたプティは何度も何度も 尋ねられる

「理由は?」




「それ1000回目だ 理由はない」



理由がないから 素晴らしいのに・・・






綱渡りのシーンはすべて写真で 映像ではないのだけど

本当に、美しい。





その場に居合わせた警官が マスコミに答える

「すごいものを見た

 二度と見られないだろう


 一生に一度だ」





そう。二度なんて、ないんだよ。





「史上、最も美しい犯罪」

…子供たちにジャグリングを見せて 無罪放免だものね(笑)

自伝読みたくなる♪





『人生はエッジを歩いてこそ

 価値がある』




痛みすら忘れ どうでもよくなるほど惹き付けられた

雲の上の散歩。


人が見せることのできる

本物の価値の美しさを

垣間見せてくれる映画です。





そしてそれは

本当に大切な友情や愛情が

終わりをみることもあるってことも、教えてくれる。










プティの数字は

8-8-1

何気にLL1被りで

エッジを歩くことを

身を以て 人生を以って学んだ人なのね。




それも、数の仕合わせ。




★★★☆☆



《かずの葉の庭》主宰

|★|高橋 早苗Facebook



のちに劇映画も作られました







↑この映画でも

そのまま大道芸人だったね

綱渡り見とれてた。



警察に連行されながらも「大丈夫」と

乳飲み子を抱いた妻に 声をかける姿を覚えてる