自分の居場所ー「バグダッド・カフェ Bagdad Café」 | ​ 観るチカラを、生きる糧に。 ー SCREEN(私設)研究所

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観る映画が、あなたの、わたしの、人生のヒントになる。
ここは、SCREEN(私設)研究所。

潜在数秘術×映画で
「観る」ことと心の関係を
映画を通して読み解いていきます。

寂れたガス・ステーション

コーヒーマシーンの壊れたカフェ
バッハを弾き続ける息子
遊び回っているばかりの娘
働かないバーテン

やっと帰ってきた亭主は
コーヒーマシーンの代わりに小さなポットを拾ってきた

女は怒鳴り散らした末に
亭主を追い出す





途方に暮れる女の目に
大きなトランクを引きずり歩いてくる旅行者が写る

砂漠に不似合いなハイヒールとスーツ
大粒の汗を拭い
たどたどしい英語で
宿を借りたいと申し出る

ブレンダは
1日限りの客と思ったこの旅行者が
いつまでも留まるのにうんざりしながらも
次第に
彼女の存在に癒されていく




怒りのおさまらないブレンダは
客相手でも喧嘩腰だ
この人の怒りがおさまる日なんてないんじゃないかと思えるほど。

彼女の目には、相当得体の知れない人物に見えたろうね
ジャスミンは。
実際、追い出そうとしてたし(笑)




カフェの常連達
入れ墨師
画家
ヒッチハイカー
長距離トラックのドライバー達も皆
今ひとつ何を考えているかわからないジャスミンの言動に引っ張られて
少しずつ変わっていく。
そして
カフェは砂漠のオアシスのように賑わい出す




向かいあったまま
涙を拭うブレンダと
汗を拭うジャスミン
・・・この二人があんなに仲良くなるとはとても思えない出会い。

惹かれ合ったといえば簡単だが
二人は心許し笑顔を交わせるようになるために
お互いのこれまでを語り合ったわけでもない



その昔観た時は
魔法か何かのように受け止めてた気がするが(それを奇跡と呼ぶ人もいた)
正直どんな映画かすっかり忘れていて(笑)
まったく真新しい気持ちで観た

もっとも、冒頭からの“あの歌”で
するりと引き込まれてしまったけどね




今は
なんとなくわかる気がするんだ

人が
自分の居場所を見つける時の
心許なさが
安心感へ変わるまでの道のり
と言えばいいのかな




それと、あの歌は
この映画の中で聴きたい
聴いて欲しい
あちこちで流れてるのとはまるで違うから




Calling You…
人生はいつでも、絶妙のタイミングなのよね。