大人の悲しさー「シャネル&ストラヴィンスキー Coco Chanel & Igor Strav」 | ​ 観るチカラを、生きる糧に。 ー SCREEN(私設)研究所

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潜在数秘術×映画で
「観る」ことと心の関係を
映画を通して読み解いていきます。



1913年 パリ
「春の祭典」初演


酷評に晒される舞台を静かに見つめる女。
微かに笑みを浮かべているようにも見えるその顔は
才能を見てとったのだろうか



後年
紹介を受け知り合った後
彼女は
作曲家に支援を申し出る

一家共々
別荘へ移り住み始まる
共同生活




ストラヴィンスキーと
シャネルの“大人の恋”



彼にシャネルを紹介した
ディアギレフが言う

「悲しいがエレガントだ」

本当、悲しげ
恋なんて言葉は似合わない



“ボーイ”の写真を伏せ涙するココには
切なさも感じるが
甘い言葉も
笑みすら交わさない二人の関係には

ある種のぎこちなささえ感じてしまう。
それを象徴するかのように
妻は
別荘の美しさに
居心地の悪さを感じ
精一杯の装飾を施す




白と黒のシャネル邸は
何かを拒絶しているようにも見えて
・・・ここで寛げるのは御主人様だけでしょう
と呟いてしまった

住まうことすら闘いか

 「私はひとりで成功したわ」
 「君は芸術家じゃない 洋服屋だ」

・・・二人の関係も闘いのようにも見えて。




妻が子供と共に去り
二人きりになれた時には
もう終わったかのよう

お互いに
奪い合っただけのように見えた二人

しかし彼は
舞台の再演を果たし
彼女は初めての香水を生み出す




「春の祭典」再演
沸き起こる拍手の中
交わした眼差し・・・




ココが
調香師へダメ出しに言った言葉

「私は女の匂いが欲しいのよ」

妻は日々を見ていて
女はもっと遠くを見ていたのかな。
その“遠く”が
ほんの束の間
彼と交わった




 悲しいがエレガント
・・・オープニングで見とれた万華鏡は
エンドロールにも登場し
束の間の儚さを魅せてくれた




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