軽く風邪ぎみ。
寝ていたいところを頑張って起きて、出掛ける。
自宅と会社の往復からしばし、解放。
舞台「黒蜥蜴」
・・・美輪さんは一度、(本人言うところの)音楽会で観たことがある。
持ち歌に限らず好きな曲を1曲ずつ紹介しながら、
曲が始まるとその中に入り込んでしまい、エンディングでぶっ倒れるさまには驚いた。
拍手の後に何事もなかったかのように立ち上がり、
髪や衣装を直しながら次の曲を紹介する美輪さん。
今日はお芝居なのでそんな姿は見られないが
演じる姿を楽しみに会場へ向かった。
普通の(?)ライヴの
圧倒的に女の子ばっかというパターンに比べて、年代を問わず男性多し。
4割はいるんじゃないかな。
さすがだ。
似たような格好ばかり、というのも見かけない。
ほんと、子供からお年寄りまで、さまざまな客層で
客席を見る限りじゃ何を観に集まった人達なのかさっぱりわからない(笑)。
開演5分前には客電が3回、ゆっくり点滅して
いかにも“らしい”ベルが鳴り、お決まりのアナウンスが流れる。
・・・お決まりじゃなかった。
携帯の電源、時計のアラームは当たり前だが
咳きについてまで注意された(笑)。
『どうしてもという場合はハンカチで押さえて』
『ハンカチのないお客さまにはのど飴を用意してございます』
客席まばらに爆笑。
それでもいたな。アラーム鳴らしてるヤツ。
誰か機関銃持ってきて。
開演後“ドラマ”が動き出すまでちょっと、退屈にも感じたが
TVでお話をするのや唄うのと違う美輪さんは、なんだか
とても自然というか一番“らしく”見える。
幕間の休憩が2回。
演目からして、ロビー、売店じゃなくバーでも用意してよ。
3幕、締めて約4時間の舞台は、
本当にすみずみまで美輪さんの目の行き届いた世界で、
完全な球体のオブジェでも観ているようだ。
完璧、という言葉が似合う。
お芝居そのものは好きずきだろうが、
ここまで完璧なものを見せつけられると、気持ち良いくらい。
クライマックス、隣のおねーさんは泣いてる。
アタシは泣けなかった。
カーテンコールの方がうるうる来た。
『ものを創るってこういうことよ』
と言われているようで。
ここまで出来たらさぞかし
『ねぇ、観てみて見てっ!!』
てなキモチだろうな。ウラヤマシイ。