MoMA展へ出掛ける。
上野の森美術館。
入口の行列を見るだけでくじけそうだ。
でも今日は友人が一緒。
しかも彼女はN.YのMoMAへも出向いてる人だ。
こんないいガイドがいて、引き返したりはしない。
コンサート会場のようなカメラチェックを受け、入場。
『○○館』へ行った時のクセで、
順路通りに観て歩くことができない性格のため(笑)
“全作品鑑賞”の列からはみだす。
人が多いせいか、(会場が)狭いなぁ・・・
と感じながら、歩き廻る。
デ・キリコ
デュシャン、
好きな作品に会えて嬉しい。
次は何かな・・・職員の制服姿・・・
え?出口?
ダリは?
友人と「なかったよね?」
と顔を見合わせ、戻る。
会期中展示替えでもするの?
今日は観られないの?
一番のお目当てなのに・・・
・・・順路を1/3ほど戻ったところに、
人だかりに隠れて
全然作品の見えない場所があった。
群がる人の隙間から見覚えのある色・・・
これだ。
こんなに小さな作品だったんだ。
私にとって“教科書に載ってる絵”だった
「記憶の固執」。
有名な分だけ、サイズまで大きな作品なのだろうと
勝手に思い込んでしまっていた・・・
“有名だから”
“流行ってるから”
に弱い日本人そのまんまやないかい。
軽く拍子抜けすらしそうな自分に
笑ってしまった。
しばらく、人の流れに逆らいつつ
群れる頭ごしに観ていた。
ポスターやカードの
つるんとした手触りと違って
油彩の筆のタッチとか、やっぱり迫力だよね。
大きさじゃないでしょ(苦笑)
作品と真直ぐに相対せずに
人ごみの隙間から眺めていたら
いろんなことを考えてしまった。
何の心配もなく有名絵画に会える平和な場所にいて、
人ごみでろくに堪能できなくても抗議する人もない行列。
ほんの一瞬、本物を目にした後に
時間をかけてグッズを選ぶ人達。
もちろん自分も含めて、だ。
こんなトコロにいるんだ私は。
「記憶の固執」・・・来てよかった。
N.Yのこと、この3週間あまりに感じた
不安定な気持ちを思い出しながら、帰った。