「YASHA」吉田 秋生 | ​ 観るチカラを、生きる糧に。 ー SCREEN(私設)研究所

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観る映画が、あなたの、わたしの、人生のヒントになる。
ここは、SCREEN(私設)研究所。

潜在数秘術×映画で
「観る」ことと心の関係を
映画を通して読み解いていきます。



沖縄、奥神島。

祭りの夜に
連れて行かれたきり
会えなくなった幼なじみ・・・



6年ぶりの再会は
東京・新宿。

幼なじみは
Dr.(博士)と呼ばれる
巨大製薬会社の主席研究員。
そして本物の銃を振り回す護衛つき。

見たことのない冷たい顔と
そっくりな顔がもうひとり・・・



 存在すら知らなかった弟
 新しいウイルスの存在に気づき始めた洛北大の研究所。
 そして弟と養父が夢見ていたのは・・・



決定的なのはやはり、もいっちゃんかな。
彼を助けられなかったことが、よくも悪くも静に決意させてしまう。

食い止められなかったバイオハザードのように
物語が動き出してしまう。
そこからが面白いんだけどね。



ひとつケチをつけるとするならば
“神の禁じ手”から生まれた双子なだけに、
どう展開しようが
「それもアリ」かなと思えちゃうところ。



東京を舞台にしたのは
なんでもアリと「思わせない」ために
必要だったのかもね。



・・・シンが再び静と会った時
 「昔のことを思い出した」
と“天才”の話をする。
遠くの方で“彼”の声がグルグル回る―

「どいつもこいつも親なんてのにはロクなヤツがいねーな!
子どもってのは親を選んで生まれてくるわけじゃねぇってことわかってんのかよ
ハズレだからとりかえてくださいってわけにゃいかねーんだぜ!」


・・・あーこんなトコで繋がっちゃいました(笑)
“神の禁じ手”最大の欠点は
「つながりが薄い」といったところか。



だから(?)十市の
“見境のない前向きさ(笑)”は
何度も静を助けた。



後に、静の母が
  「奥神島で過ごした日々は
   すばらしい贈り物のようだった」
と書き残していたように

静にとってもそれは同じで
それを持ち得たから
彼は残れたのかもしれない。



代わりに、失ったものも
とても大きかったけれど。



“旧人類”から見ると
  魂(マブイ)を持たない人間が
  魂(マブイ)を持つまでの話
みたいにも見えるわ。



東京と沖縄を舞台に
アメリカと中国まで巻き込んだ
スケールのデカい“親子喧嘩”のようにも見えるんですが(笑)。
・・・子供は、親の真似をして育つってこと
よくわかる。



「イヴの眠り」も読み終えた後じゃぁ
あの幼い二人が最後に「つながった」てのが泣ける(号泣)。

しかしアリサの前に現れた“キジムナー”と凜は
どうしても結びつかない(笑)。
似ても似つかないというか。



そう、菩薩と夜叉のように。



YASHA (1)YASHA (1)
吉田 秋生

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★ 好きなシーン

★初めて凛と会った帰り道、車の中で溜息をつくシン・スウ・リン。
 「また美形だよ・・・」
 しかも今度はダブルだよダブル!(笑)