大人の不自由さー「ガラスの脳」 | ​ 観るチカラを、生きる糧に。 ー SCREEN(私設)研究所

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観る映画が、あなたの、わたしの、人生のヒントになる。
ここは、SCREEN(私設)研究所。

潜在数秘術×映画で
「観る」ことと心の関係を
映画を通して読み解いていきます。


初めて観た時、
ちゃんと「手塚治虫色」してるなぁ、って妙に
(どういう色なんだ?笑)
感心した。






知らない部屋
“開けてはいけないドア”は、
いつでも子どもの関心事だ

喘息で入院していた七歳の子どもは
そのドアを開けた

いたのは
ピクリとも動かず眠っている女の子
「生まれてからずっと起きたことないの」
・・・読んだ「眠り姫」のおはなしそのままに
子どもは女の子にキスを贈る

そして退院したあとも
贈りつづけた




やがて高校生になった彼は
テレビで古いニュースを見る

飛行機事故で
ただひとり救出された母親から生まれた赤ちゃんは
一度も目を覚まさず眠り続けていること・・・



いつの間にか忘れていた
幼い頃の記憶とつながった
彼女の存在

彼は再び
ドアを開けた




…原作も読んでないのに
「色」を感じるのは
暗さだ

病院の暗い廊下
ギィーっと
音を立てる扉

そして
大人たちの不自由さ





彼女は、目を覚ました

言葉も
立って歩くことすら
知らない彼女を
彼は外へ連れ出す

そして
驚異的な速さで
すべてを吸収し始めた彼女は

自分に与えられた時間が
5日間だと告げる・・・





キャスティングからか
アイドル映画らしい甘ったるさも鼻につくが
最後まで全うしちゃう彼の姿は、

逆ならありえないだろうなぁ、って。





強いて言えば
ガラスの脳を見せて欲しかったなぁ

その方が「らしい」よ。


ガラスの脳ガラスの脳
手塚治虫 中田秀夫 小原裕貴

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