【39話】ある豪勢なお屋敷で【web小説】 | 浅田瑠璃佳@物書きブログ✡✡言の葉の楽園✡✡

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「夫………?」


菜月(なつき)は目を見開き、男の言葉を繰り返した。


「何を、言ってるんですか……?」


彼女の自室のベッドに腰掛けた男・昂希(こうき)は、自分を見つめる菜月の様子に、面倒そうに肩をすくめてから口を開いた。



「いや、だから、そのままだよ。 俺はお前の旦那。 俺たち結婚するんだよ。」


しばし固まっていた菜月は、ふいに花梨那の言葉を思い出した。


「……まさか………!」


真実を知った菜月は思わず口をおさえ、狼狽した。

他になすすべがなかった。


そんな菜月を見かねた昂希は、菜月のベッドから立ち上がり彼女に近づいた。


「まあとりあえず、シャワーでも浴びてきたら? この後寝るんだろ?」


自分に近づく昂希に、菜月はより警戒を強めた。


「近づかないで。」


その言葉に、昂希は目を丸くした。


「おいおい、出会って早々、俺は嫁に嫌われるわけ?」


一瞬落ち込んだ様子を見せた昂希は、鋭く菜月を見た。
目の奥に悲しみを秘めた、冷たい瞳。

昂希の眼光に、菜月は怯えた。



「……それか、もう手っ取り早く済ませちゃうか。」


そう言って昂希は菜月の腕を引く。


油断していた菜月は、たやすく昂希の力に流され、ベッドに押し倒されてしまった。


呆然と天井を見つめる菜月は、今、自分の身に起こっていることを現実だとは思えなかった。
いや、思いたくなかった。

今、自分の上にいるこの男は、出会ったばかりで何者かも分からない。



だけど。

ただ一つ言える。



自分に触れるのは、愛する和雄のみ。

そうでなくては。


他の誰かなど、許されるはずもない。


「……どいて……。」


腹の底から絞り出すように低く、菜月は言葉を吐いた。

そして天井より自分の近くにいる昂希を睨みつけた。


その様子に、昂希は一瞬目を見張った。


「なんで? 俺は、お前の夫なのに。」


「違う。」


「違わないって。」


「違う!!」


「……あーもう……、だるいって、そういうの。」


反抗する菜月の様子にため息をついた昂希は、すかさず菜月の首元に口づけた。

その感触のおぞましさに、菜月は身震いした。


「やめて!! 触らないで!!」


その言葉にも昂希は耳を傾けず、菜月の胸元をはだけさせ、肩に直接口づけた。


目に涙をにじませ、菜月は叫んだ。



「私は、あなたのものなんかじゃない!! これ以上、私に触ったら死んでやるわ!! ただじゃおかないわよ!!」


「……おいおい、落ち着けよな。まったく……。」


昂希は菜月を見下ろし、呆れている。


その時、菜月の自室のドアが勢いよく開いた。



To be continued



~追伸~

TATSUさん、メッセージありがとうございます爆笑

Ameba本部さんですか、頼めるかなあ爆笑?

誕生日に大好きなアーティストさんのライブは最高ですねカラオケ

いつもメッセージ大変励みになっております目がハートキラキラ



皆様、39話、読んでくださりありがとうございますキラキラ鉛筆ラブラブ

次回もお楽しみに!!


カメ浅田瑠璃佳カメ