【23話】『ある豪勢なお屋敷で』【web小説】 | 浅田瑠璃佳@物書きブログ✡✡言の葉の楽園✡✡

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応接間前の廊下。


向こうから女性と、一歩下がってメイドの菜月(なつき)が歩いてくる。


「あなたはここに勤めて、もうすぐ一年なのね。 一年も勤めたら新人さん、って感じじゃないわね。」


柔らかく微笑みながら、女性は菜月に話しかける。


「いいえ、私はまだまだです。 もっと一人前の使用人になれるように頑張ります。」


「……ふふ、頑張ってね。」


女性の微笑みと励ましの言葉に、菜月の心は和らいだ。


「はい、ありがとうございます。」


そう答えた菜月にも、自然と笑みがこぼれる。


と、菜月の視線の先には、この屋敷の主人である元治(もとはる)の一人立ち尽くす姿があった。


「お待たせしてしまい申し訳ございません!」


元治の姿に気づいた女性は、そう言って小走りで彼に駆け寄った。

菜月は頭を下げ、元治に礼をする。


「いや、大丈夫ですよ。」


元治は優しい笑顔で、女性に言葉を返す。


「こちらのメイドさんに、お屋敷の案内をしてもらっていましたの。」


そう言って女性は、菜月の方を見て微笑んだ。

菜月はつられて微笑み、彼女に頭を下げる。


元治は一瞬、菜月の姿を見て驚きの表情を見せる。

どこか悲しそうな……。


菜月はその顔に、かすかな胸のざわめきを覚えた。


「そうか、では君はもう戻っていいよ。 さあ、花梨那(かりな)さん、行きましょうか。」


元治はそう言って、女性を応接間に招き入れた。


しかし次の瞬間。


閉まりゆくドアの隙間から、菜月は見てしまうのである。


応接間の中のソファーに座っている、この屋敷の御曹司である和雄(かずお)の姿を。



To be continued



ここまでお読みくださり、ありがとうございます飛び出すハート

ついに新たな登場人物の、女性の名前が明かされました!!

次回もどうぞ、お楽しみにニコニコスター



~追伸~

TATSUさん、メッセージありがとうございます花束

さてはビール、いけるクチですねニヤリ生ビール?

滋賀のご当地グルメとビールってどんなものか気になりますキラキラ笑い

是非ライブ楽しんできてください、当日はどうか晴れますように爆笑太陽



カメrurikaカメ