終わらぬビブリオバトル | Papytat~東京農工大学生協読書部~

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お久しぶりです。前回の書き込みより1月以上がたちました。3月は忙しかったのです。
ですが、ネタは引っ張ります。2月下旬のビブリオバトルにさかのぼります。しかしネタがないわけではないのです。ちゃんと理由があります。

それは、ビブリオバトル後の交流会にて、わたしたちReaders Networkの副代表が、司会として言った一言を、忘れずに胸に秘めていたからです。こういうと気持ち悪いですが、ように、はやせな、はよせな、とメールの返信をずるずると後回しにするときのような後ろめたさを感じていた、という話なのですが。

そういえば、手紙の返事を出すのを後回しにするときの心境については、小川洋子さんの『カラーひよことコーヒー豆』というエッセイでも取り上げられてましたね。心の底に沈んでいくとかいうような表現は遠回しなような、直球なような。

話がそれました。
副代表の言葉です。

「ビブリオバトルは読みたいと思った本を読み終わるまでがビブリオバトルです!!」

だいたいこんなことだったと思います。とりあえず意味はこうです。
この一言にこたえる高校生たちのきっぱりとした「はい!!!」という返答。



これはもう、自分もちゃんとあの本を読まねばビブリオバトルは終わらない。いや、あとあれもこれも………



終わるのはいつになることやら、この読むのが遅くて目移りばかりしている自分が。

しかし、とにかく一部は読みました読みましたので、ゴールには近づいている!はず、です。

ということで本紹介を。

まずは太宰治『ろまん燈籠』

ビブリオバトルでは短編集であるこの一冊から、表題作であるろまん燈籠について、5分間語っていただきました。太宰治は自分の中では、はずれなしとして何か安心して読書を楽しみたいときにチョイスしていた作家でもあり、まずはコレ、と思っていた一冊。
内容としては、小説の中で、五人兄妹が交代で書いていく一つの小説を書く話。書き手である兄妹のキャラがそれぞれ異様に濃く、その強烈な個性がかかれる小説を読んでもありありとわかる。それがそれで面白いし、その書かれた小説を置いておいても、この兄妹を含む一家のやり取りそれ自体が面白い。そうしたあたりが自分の中では、太宰らしい、というように感じるのだが。
 兄妹の中で誰が好きか、という話がバトルの時には語られていたが、自分としては、しいて言うなら、たしかに次男か。どちらかというと、この一家の中では祖父がお気に入りです、と言っておく。

自分の選んだこの新潮文庫のろまん燈籠にはほかにも15編も収録されていたのだがこちらも好みの作品が多くて満足。この一冊を読むきっかけを与えてくれたビブリオバトラーにそういう点でも感謝


でもう一冊。小島なお『乱反射』

この一冊は小説ではなく歌集。短歌である。ビブリオバトルの時は、その良さや、なにが気に入ったか、ということに加え、その中の短歌をいくつか読み上げていて、それが確かになかなか気に入る。ということで手に取った。
しかし、この乱反射というタイトルは同じタイトルの小説などが存在するようで、はじめは違う乱反射にたどり着いてしまった。検索するときには、小島なお、の方から探していくことをお勧めする。

さて、短歌なんてさっぱりわからないが、31字で描かれた情景や気持ちなどを想像することならできる。31字くらいなら、読むこと自体はたやすい。
ということで、すきま時間をこの一冊を読むのに使っていったのだが、高校生のころの描写には、今の自分としては、懐かしいものを感じる。もちろんそれだけではない。懐かしいだけではなく新鮮さや新しさも感じる。自分にとって、こういうシーンはこうだった、なんていう重ね方もしたりした。等々いろいろなイメージの膨らませ方をしているうちに、31字からかけ離れた分量の感想やらイメージやらをいただくことができた。
短歌だから、なんていう言い訳を言う相手なんていないのだから、気軽に好きに読ませてもらった。そうすることをすすめる。

残り〇〇冊。はい。がんばって読みます。そして、ビブリオバトルをやりきりたいと思います。