今年は
都合で
1日遅れとなった墓参

あれから
どのくらいの時間が過ぎたのかと
改めて墓誌をと見れば
ちょうど20年

なるほど
ならば僕の身体にも
老いが訪れても仕方ないかと
ギクシャクし出した足腰を
ちょいと大きく動かしてみる



高校の頃
バイクで集まったあいつの部屋

そこであいつは
これ とても良いから
聴いてみてよ と
僕らに差し出した
1枚のLPレコード
彼女のファーストアルバムだった

そうだ
皆
ランちゃん スーちゃん ミキちゃん
ミーちゃん ケーちゃん
百恵に 淳子 って 騒いでた頃だ

そんなに言うのならばと
カセットテープに録音して貰い
持ち帰ってみれば

なるほどね ってわけで
そこへの入口が開いた

高校を出れば
皆 それぞれに方向が変わり
しばらく音沙汰がなかったけれど


ある日
あいつ
体調を崩したらしいよと
それもあまり良くないらしいよと
あいつの地元の仲間から聞き

迷いながらも
ちょうど良い言い訳が出来て

そう
娘のバレーボールの試合が
あいつの町の体育館であって
そのついでに
たまたま近くに来たからと
見え透いた言い訳をしながら
訪ねてみた

すると
最初は元気な顔で現れたが
気を使い
奥様が席を外すと

お前にだけは話しておく
実は良くないんだ

我慢しちまったから
遅れたと

お前も
身体に異変があれば
すぐに… と付け足した

その言葉が今も耳に残っており
僕の背筋を伸ばしている

もちろん
その後
慌てて
多くの仲間たちに知らせたけれど

皆
それでは行きずらいと
足を遠くしてしまった

僕も
また行かねばと心しながらも
次はどんな顔でと思っている間に
訃報が届いた

今日もまた
あの日を振り返り
すまんと詫びながら
手を合わす

そして
今 夕子さんが
目の前で微笑んでいることに感謝し

あの日のお前の置き土産は
大事にして来たら
ここまで膨らんだぞと
微笑んでみる

ありがとう



その後
それを更に広めた
あいつまでも先立ってしまった

こんな日が来ることを
知っていたなら
きっともっと
大事に生きたのかもと
今更ながら
寂しくも思いながら…