どうやらこの
65という齢は
そこにまた山があるようで

それをなんとかして
乗り越えねばならず
あと半年ほどは
更に丁寧に生きねばとも思う

母方のおじいちゃんは
65だった

それを思うと
今年の墓参には
特別な意識が出来る

この齢だったか と
この齢でしたか と…

何を
どう思ったのかと
墓前で呟いてはみても
何も戻らない



昨日
早朝から
着慣れないスーツを羽織り
斑尾高原でのシンポジウムへと
急ぎ足




早めに黒姫へと入ると
通り掛かった道沿いに
一茶旧宅と書かれた
看板が目についた

通り過ぎてしまったけれど
これはと思い
引き返せば

そこには
一茶終焉の地とあり
また
そこに残る土蔵で
その生涯を終えたと



更には
その説明書を読めば
なんと65だったとあり

まさか
呼ばれたかな? と
ふと身震いした



観光客はどなたもなく
僕ひとり
そっと歩き回れば
200年もが経ったというのに
気配がする

特に
その土蔵に入れば
なるほどと
オーブたちは
こんなにもかと
浮遊している



還暦を越し
見えなかったものが
見え始めたのは
特に
こうして1人の時が多く 
改めて手を合わす



ならば
黒姫の駅の近くに
確か 記念館があったはずと

シンポジウムまでの時間を確かめ
急ぎ足で立ち寄ってみた

そこもまた
人影少なく
いや
先にいた数名はすぐに退館し
ここもまた僕ひとりとなった

まさか
僕が来ることを知ってたかのように
ひとり貸切状態

残念ながら
丁寧に周る時間はなく
さーっと見学すれば

いくつかのものが
目に付いて
またゆっくりいらっしゃいと
言葉が頭の中に
流れ込んで来た

なるほど
そうですか
ではまた来月には
アファンの森に来ますので
その時にでもと
呟いてみれば

そうして下さいと
これまた聞こえた気がした

なんでかねえ
65という齢は
どうやら特別なようだ


いつか
討ち入りの足跡を追い
両国の吉良の屋敷から
泉岳寺まで歩いたことがある

その途中の
隅田川沿いの高台に
一茶の像があり

この辺りだったかと
なんとなく
時代を想像したことを
覚えている

やせ蛙 負けるな一茶 これにあり

そんな程度の知識しかないが
昨日のシンポジウムでも
一茶の話題が多く聞こえて来た

老いてから
この地へ
田舎へと戻ったことは

何もないが
何でもある

そんなことなのかも
しれないけれど…

まさか 一茶

僕の前世にでも

関わっていたか?…