早朝から
人影なき墓所へと急ぎ足

まだまだ
ゆっくりしか歩けないから
邪魔にならない早朝がと…




途中
24時間営業のスーパーへと立ち寄り
わずかに花を手にし

すれば
この広い墓所では
今 
この世にいるのは
僕ひとりだけかと身震いするが

いずれ行く道ならば
繋がった場所かと
手を合わして
その中ほどのそこへと急いでみる


あれから
もう20年

その重みを
ひとり振り返ってみるが
戻らない

20年といえば
産まれた子供が
成人する月日だ

社会へと出て
1番お世話になった方

最後にお会いしたのは
一緒にしていた仕事中

ちょいと検査入院してくるから
少しの間
これを頼む と言ったきり

連絡が取れなくなって
自宅へと電話すれば

奥様が出て
お知らせしなくて
ごめんなさい… と

えっ? と問う間に
訃報だと知らされた

でも
お元気でしたのに
検査だからと…

普段から
健康診断でも
してたらね… と

慌てて出掛けてみれば
もうすべてが終えて
墓所の中

誰に知らせることなく
こっそり頼むとの
遺言だったそうで

そりゃあないよ! と
こうして毎年
手を合わす

今年ばかりは
この身体
1日遅れてしまったけれど

すれば
更に深く
多くを思い出して
目頭が熱くもなる

60歳
僕はもう
5つも齢を越してしまった





さてすれば
必ずそこで
姿を見せる玉響

今朝もまた
さらりと過ぎて
分かってるよ とでも
知らせるかのように…




空は綺麗な青空となり

帰り際の境内で

綺麗に咲いた梅を見上げていれば

週末とあって

そろそろ

出掛けて来た方々とすれ違う


ご家族たちもまた
これから訪れるのだろう