痛みがそこそこ収まると
病室ではヒマにもなって
スマホをいじりながら

何を
どう感じるのかと
自らへと問い

そこに
ドンピシャ! 当てはまる
言葉探しをしてみる

代用ではなく
まさに
ひと言
その言葉でなくてはならない
それは
そう簡単には見つからず

彷徨いながら
書いてもみるが
読み返した時に

やはり
これではないと
削除する

それに飽きると
途中まで読み掛けていた
娘が差し入れてくれた
小説へと目が移り

薄暗い中
老眼鏡を掛けて
わずかに見やすくなった文字を
丁寧に追い掛ける



あまりの面白さに
ならば一気にと思ってみるが

これを読み終えてしまったら
残りの病棟での時間
どうしよう? なんて

わざと
遅らせながら
そのドラマの風景を
頭の中へと仕舞い込んだ

さて
退院も決まり
いよいよ
読破しても良いと

今度はカーテンを開け
明るい光の中
メガネは不要となり
一気に読み終えた

そんなだから
今朝はこんな夢をみる…



買ったばかりのヘルメットを

部室にあった缶スプレーで黒く塗り

チームカラーのステッカーを

両サイドに貼る


オレンジ色のメッシュのジャージを

高校から連れ添った

ショルダーに被せ


スパイクと

手袋との汚れを丁寧に落とす


真っ白だったパンツは汚れて

茶色の他 

どこかの人工芝と擦れた

緑や青の色彩をも放つ


それらを

チームカラーのバッグに詰め込んで

マネージャーへと渡せば


あとは

明日を待つばかり…


試合の前は

緊張と

怖さとで

身震いする


あれ?

これって

もしや

息子か?…


そうだ

大学の頃の息子の姿


高校での最終戦

第4クオーター

残り5秒

点差は5点

QBからボールを受け

2人ほど敵をかわし

走り込んだけれど


あとわずか

5ヤードで追い付かれ

足をすくわれ

タッチダウンに届かず

負けた試合


それが

いつまでも

こうしてトラウマとなり

夢に現れると

いつか話していたっけ…



不思議かな

幼稚園から続けて来たサッカーを

高校でもと

その強豪校へと入れば


そこには

日本中から集められた

特待の連中ばかり


すると

部員は200人もいて

なんと

10軍まである


これでは

試合にも出られず

終えるのかと

諦めてると


アメフト部から

優しく声を掛けれられ

ではと

入ってみたら

そこが1番キツい虎の穴だった


夏の2度の合宿を終えると

1年は半分にも減り

いつも怪我との戦い


辞めようと思えば

一瞬

先に辞められちまい

坊主頭の

おっかない監督に言えず

結局3年間 続けてみれば

そこそこ勝つチームとなり


大学から声が掛かり

勉強もせずに

大学へと入れた


するとまた

そこも虎の穴と来て

それでも

スポーツ枠で入ったならば

辞められず


ここでもまた

怪我との戦い


入った4月に

大袈裟をし

リハビリを終えると

3年になっていて


レギュラー入りには

なんとか間に合ったけれども

この7年間で

燃え尽きてしまい


社会へと出れば

もう ひと言も

アメフトとは言わない



それは

幼稚園で一緒だった

近所の友達もまた同じで


彼は野球を目指し

高校では

サードで4番を打ち

甲子園で優勝までしたが


引っ張られた大学では

モチベーションが下がり

名を残すことなく

終えてしまった


努力は

才能を

越えられなかったのかと

思ってみるが

分からない


すべては

運に支配されているようだ



さて

WBCが始まり

今回は

そのすべての試合を

観られる時間まで手に入れた


あの舞台へと上がる彼らには

才能と

努力と

運とのすべてが

この一瞬に重なったのだろう


昨晩は

まさかのコールド勝ち


こりゃまた

優勝が見えて来た


幸あれ…