退院の準備を終え
カミさんと
お世話になった病室を
出ようとすると

お隣りの方から
お声が掛かり

退院
おめでとうございます と…

あらま!

僕より1日遅れで
ここへと入って来たその方は

僕より1日早い手術だったらしく
その晩は
違う部屋で過ごし
翌朝に
ここへと来たようで

そのあまりの痛さは
カーテンの向こう側から
聞こえて来た言葉加減で知っていた

それでも
ひと言くらい
ご挨拶でもと
お声を掛けておいた

さて
その日の午後が
いよいよ僕の手術

きっと
時間遅れから何からの
一部始終をも
聞こえていたはずで…

その後は
お互い カーテンに仕切られ
それ以上のことは
必要ないかと…

そんな方から
この退院での言葉があり
嬉しくなって
ありがとうございましたと
お返しした

すると
そのまた反対側の方からも
そんな言葉を頂き
微笑んだ

そう
その方は僕より1週間は早く
ここにいたようで
僕が入るとき
わずかにご挨拶だけ
させて頂いただけ

これって
もしかすると
例の厄介なオヤジからの
迷惑を受けた 同志かと

それがいなくなって
せいせいとした 同志かと

なんとなく
思って
苦笑いしながら

ありがとうございましたと
部屋を出た

昨日
そのオヤジの後
新たに入って来た方とは
残念ながら
何も… だったけれど



個室で
何も影響を受けず与えずな
ことよりも

カーテン1枚だけで仕切られた
一か八かの4人部屋でも
こうして
わずかでも繋がっていたことが
嬉しくもなる

今回のことは
振り返れば
すべてにツキがあり

何人もの外科の先生の中
若く優しい先生が
担当医となったこと

そして
とても明るい看護師さんが
手術前後
担当してくれたこと

それから
南向きの部屋の窓側のベッドに
なれたことで
孫たちとのコミュニケーションが
取れたこと

オペ看護師さんのあまりの優しさ
すべての看護師さんの笑顔
補助してくれた
その他 すべての方々

ありがとう

本当にありがとう


それを
打ち消すように
迷惑千万だったオヤジもまた
過ぎてみれば
記憶に残る存在となり

痛みはあれど
良い時間だったと
深く心に残るようだ…