さて
いよいよ明日は退院となり
その旨の
ご挨拶をと思っても
その相手がいない
そう
結局
ひとりも知り合いが出来ず
終えた 入院生活
それは
閉ざされたそれぞれの
空間へと入ることを
カーテン1枚で仕切られた
結界があり
また
そこへと入ることを
遮られ
拒まれてもいるかのような
独特の空氣感が鎮座しており
それを
突破してまでも
伝えるだけの要件は
ひとつもなかったって こと
それでも
優しく接してくれた看護師さん
数名とは
仲良しにもなれたけれど
きっとそれも
ここでだけのことで
街ですれ違っても
分からないのだろう
なんせ皆
マスク姿だったから
本当の顔を知らない…
多分
皆
痛みに耐えることが
最優先な
この外科という空間は
他人のことに
関心を持つほど
余裕がないのだろう
僕もまた
来週には
ここの外来へとは来るが
もうこの病棟に
戻ることはないようだ

