午後になると
お向かいの厄介なオヤジさんが
引越して行った
カーテン越しに
聞こえて来たのは
5階とのこと
今日 1時30分に
部屋を移りますが
聞いてますよね? と
看護師さんが確認にやって来た
ところが
そのオヤジは
聞いてない! と答えた
えっ? と
慌てて
ではと確認に戻り
昨日 その対応をした
看護師さんと来ると
ああ
思い出した
聞いてた と…
そんなだから
好かれないんだよな と
思ったけれど口には出さない
わずか
カーテン2枚と
1mほどの通路を挟んだだけの
別世界
わずかながら
そこからの
迷惑を受け続けた
この8日間
厄介な言葉と
大きな音
それに
看護師さんへの迷惑行為が
音となって飛んで来ていた
1時30分になると
時間通りに
看護師さんたちはやって来て
さほど
大きな音を立てることもなく
手際良く
そのオヤジと
荷物とを
さらりと風のように連れ去った
直後
掃除担当の方々が来て
これまた
手際良く ささっと…
すると
ここでは
何事も無かったかのような
綺麗な空間に変わり
まっさらに戻して行った
そこへ
面会時間となった
カミさんが来て
あら!
空いたの? って問われ
カクカクシカジカでと
言葉少なめに
小声で伝えた
カミさんは
自宅での
僕の迎い入れの準備を
済まして来たと微笑んで
明日の手続きは? と
急いで話し
規定の15分を越した頃
慌てて帰ろうとすると
もう
向かい側のそこには
新たな方が入ったようで
わずか1時間前と変わらず
カーテンが引かれ
何もなかったかのように
佇んでいる
さてこれで
もうお会いすることもないと
苦笑いしてみるが
はてさて
最後まで
こちらへの言葉はなかった
体調が悪いのは
もちろん 分かる
だってここは
入院病棟だから
全員の具合がよろしくない
それでもダ
やはり
他人への気遣いは必要だと
思ってみるが
いかがなものか…
失礼

