手術時にお世話なった
手術看護師さんが
昨日ここに見えて

頑張ったわね! って
微笑んで下さり
なんだか
嬉しくなった

そう
2時間遅れた手術で
落ちた心を
戻してくれて

また
痛かった背中への麻酔管の注入時も
頑張れたわね! って
褒めて下さり

その
わずかな言葉と
穏やかな表情とに
本当に救われた

地獄で仏とは
こういうことなのだろう

ありがとうございましたと
心から感謝をした


あの日
2時間ほど遅れて連絡が入り
落ちた心のまま

点滴スタンドを転がしながら
担当の看護師さんと部屋を出て
てくてくと廊下を歩き
ガラス張りの自動ドアを潜り

付き添ってくれた
カミさんと
娘とに手を振られ
苦笑いしながら手を振り返した

手術専用のエレベーターに乗り
2階へと降りると
目の前には
手術室と書かれていて

その曇りガラスの自動ドアを入ると
とても優しそうな方が待っていて
手術看護師の… と申します
遅れてごめんなさいね
不安でしたでしょう
でももう大丈夫ですよ
と言葉にする

いえ
大丈夫です
宜しくお願い致します と

無理して返すと

そこで
担当の看護師さんから
引き続がれ

お名前と
生年月日と
手術箇所の確認とを問われ…

また
先に提出してあった書類に
書き漏れの日付を書き足し
ではと
その先の手術室へと
歩いて案内された

いくつかのドアを抜けると
テレビドラマで見るような
真新しい手術台があり

そこには
麻酔の医師だと言う方が待っていて
手術台に横になった

こういう場所は初めて見ますと
言えば

以前の手術では? と問われ

救急でしたので
何も覚えてないのですよと
答えた

きっと とても
不安そうな顔をしていたのだろう

大丈夫ですよ
すぐに寝てしまいます

目覚めたら
もう終わってますからねと
微笑んで

そして
目覚めるのをここで確認してから
部屋へと戻りますと
それまで
私が付いてますからと…

左を向いて 
背中を丸めて
身体を後ろへと下げて
膝を抱え お腹を見るようにと
指示があり

アルコール消毒は大丈夫ですか?
との確認後
2度の消毒をし
ビニール状のシートを貼り付けて

その麻酔科の医師は
背骨の位置を何度も確認し
ではまずは
麻酔の管を入れる場所へ
軽く麻酔の注射をしますねと

わずかな痛みを伴い
それを
何度か繰り返し

では
菅をと…

それが
なんともな痛さと
嫌な感覚で

でもすぐに
痛みから逃れ
その管を固定したらしく
ビニールのシートは剥がされ

上を向き
お腹を出し
手術着を脱ぎ全裸状態で
口にマスクを取り付けられ

何度か深呼吸をして下さいと
言われ
2度3度し
麻酔を投入しますと聞いた直後から
記憶がない

目覚めれば
そこにはその
手術看護師さんがいて

無事に終わりましたよ
大丈夫ですか? と問われ
うつろいながらも
はい と答えると

担当の看護師さんと代わり
またいくつかの
ガラス張りのドアを抜け
専用のエレベーターで
4階へと戻り

またガラス張りのドアを抜けた時
生還した感に包まれて
待っていてくれた
カミさんと
娘とに
ありがとうと言葉にした

そんなだから

この3時間
手術中の記憶はまったくなく
その後
廻診する医師たちに
わずかづつ問えば

担当医師と
その補助の医師と
その他
数名の医師とでの手術だったそうで

傷口は3ヶ所とお聞きしていたが
本日 やっと
自分で確認が出来て
ヘソを含んでの4ヶ所のようだ

廻診の
若く綺麗な女医さんに問えば
ヘソからカメラを入れ

横2ヶ所から
ロボットアームのような物を刺し
患部を施術したようで

なるほど
すればやはり4ヶ所かと

痛みはわずかづつ
和らいで来たけれど
やはり
その患部が痛い

他の3ヶ所は
穴を開けただけで…

とはいえ
痛みは確かにあるが
患部の痛みが優先されて
他の痛みが
麻痺しているのかもしれない

そんなことを
わずかでも覚えている内にと
ここに書き残して置こうと思う

さてこれで
腹部の傷は
6ヶ所となり

生涯 これを確認しながら
更に健康に氣遣うのだろう

そうそう
子供の頃の
その盲腸の傷痕は
破裂させてしまったが為

中の膿を吸い出すとのことで
2ヶ所もある

きっとその2ヶ所が
今回の原因かと思ってみるが
すでに45年も前のこと

なぜ
今頃だったのだろうか

これもまた…