味の好みは難しく
これ
美味いよ! と言われても
失礼ながら
さほどでもないと
思うものばかり
そうだ
こればかりは
好みでしかなく
それは
すべてが万人にとはいかない
先日の昼食もそれで
カレーの激戦区
神田でのグランプリとも聞けば
間違いないはず と
入口から敷居を上げた
すると
これが? なんて
思わず言葉を吐いて
なるほど
そういえば
時折 訪れる神田では
大好きな
日乃屋カレー ばかりを食べている
多くの方々が行列で待つ店は
我慢して並んだけれど
僕の中では
さほどでもないことばかり
ようするに
違いが分からないのかも
しれないけれど
味ばかりは
自分が美味いと感じるものだけを
リピートするわけだ
失礼
生まれつき
育ちが良いはずはなく
ガキの頃から
美味しいものを食べさせて貰った
記憶もなく
そんな
三つ子の魂百まで のような
味もまた
ガキの頃に慣れ親しんだものが
1番美味いと思うし
きっと
皆 そうなのだろう
なんせ
小学校の低学年まで
田舎町の借家街で育ったもんで
夕方にもなれば
どこからともなく
レンタンの香りが漂って来て
また
魚を焼く匂いも混じり
お隣さんとは
お醤油の貸し借りまであった時代
早朝には
納豆売りや
豆腐売りが来て
どんぶりを抱えて
買いに出掛けた
まさに昭和な頃
牛肉は美味しくないからと
お袋に騙され
初めて食べたのは
高校生になってからの
吉野家だった
バナナも高価で
風邪ひいて寝込まないと
食べられなかったなんて
近所のオジちゃん オバちゃんは
身内以上に接してくれて…
そんな半世紀前の
ドサクサな頃を
懐かしみながら
それでも今より
良い時代だったと
振り返るばかり…
戦後わずか
20数年の
あの頃のこの国には
もっと
もっと
心があったようだ


