人生経験を積めば
その時にやっと
辿り着く場所がある

書物もまた
そのひとつで

なるほど
こういうことだったのかと
何度目かの再読により
やっと氣付くことばかり

そうだ
読書は50を越してからが良い

いや
若い頃に読んで
その差を確認したら良い


落語は
その人生経験が豊富なほど
楽しめる

そこに
喜怒哀楽があれば
尚も
感慨深くなる

わずかに斜に構え
生きて来たならば
痛みをも伴っていたはずで

すれば
相手の心まで
分かるようにもなる

バーチャルではない
ましてや
想像でもない
その身を持って体験した
リアルさが物を言い

目の前の噺家は
目線から消え
その物語の中へと入り込む

そんなことが出来たならば
その噺家は一流であり
自分もまた
聴き手の一流なのだろう


時代は仕方なくも変わり
それでも
江戸の風が
そこに吹いていたならば

それが
粋というものなのだろう

古典と言われる作品は
長い年月を掛け
多くの噺家たちが
独自の味付けを付け足しして
完成されたもので

昨今の新作は
それを越えることは
しばし難しい

それでも
それらもそろそろ
古典になりつつあるが

果たして
昭和の世の中の物語は
令和に理解出来るのだろうかと

時代の移り変わる
あまりの速さに
戸惑いながら

今日もまた
新たな若手を探してみる