レコード盤に針を落とし
緩やかに曲が始まると

いくつかの節目を跨ぎ
中央へと向かえば
その回転は急ぎ足となる

それはまるで
僕らの人生のようで
僕もそろそろ
中央が近づいて
急ぐ時間と戦っている



それでも
そんな
A面が終われば
自動的に針は戻り

さてと思えば
頑張ったわね
では
ご褒美よ! って

女神さまが現れて


もしや
B面の時間も
授けてくれるかもなんて…

今がまさに
その時かもで

すれば
その1曲目は
スローバラードから
お願いしたい



いや
仕方なくも

徐々にテンポが上がるのならば

すべてを
スローバラードとして
その速度を抑えてみたい

さて
何から始めようか…



我が子たちは

そのレコードすら知らず

CDが入口となったけれど

それもまた

ダウンロードにもなって

その姿すら消えてしまい


昨今

便利さと引き換えた時代を

遡る僕ら世代と

一部の若者たちは

またレコードへと

戻りつつあるそうだ けれど…