沖縄の友達が
渓流釣りをしたいとやって来た

しかし
この時期の渓流は
もう禁漁となっていて

ならば
管理釣り場では? と
連れ出した

するとそこの池は
多くの釣り客で溢れていて
入る隙間すらない

ではと
その池へと注ぐ渓流へと
勝手に登り始めると

それは
大きなイワナが姿を見せて
もっと上流へと
案内を始めた

戸惑いながらも
その後を追うと
目の前には
それは高い堰堤があって
大量の水が
滝となり落ちている

この堰堤を登ることは
難しいと思っていると
その滝の中へと
無理に案内され

その裏側へと出れば
そこには
深い洞穴があり

そこから先は
私が案内すると
モグラが現れた


これは? と尋ねると

ここは
太古の昔に
ホピ族が逃げ込んだ場所で

例の石版が隠されていると
告げられた

石版? と
僕が問うと

隣りの沖縄の友達は
ホピ族の姿に変わっていて

お前をここに連れ出したのには
訳があると微笑んでいる

それには
預言が書かれており
全部で5枚あるはずの

その3枚は
アリゾナの我々が
何万年も前から持っている

あとの2枚は
対立した部族に持ち去られて
行方不明となっていたが

それが日本にあるようだと
それも沖縄ではないかと
姿を変えて送り込まれた

しかし
それは沖縄ではなく
関東の山の中だと知り
それを探し出したが
その扉が開かない

すると
その扉の隅には
こう書かれていて

左足と
脇腹とに
船の形のアザがあり
右目に泣きぼくろがある男が
それを知っていると

そこで
お前かと…

なるほど
彼はバイク仲間で
時折 
こちらへと来ると
一緒に温泉へと出掛けた仲

そんなことを
調べていたのか

しかし
僕はそれを知る術はない

すると
天井に開いた小さな穴から
光が差し込んで来て

それに手をかざすと
その光は反射して
そのドアのその文字へと
跳ね返った

直後
ドアにヒビが入り
目の前で崩れて行く

その先には
手のひらの大きさの石版が2枚
並んで置いてある

彼はそれを急いで取り
ザックへと押し込んで
逃げるように走り去った

僕は
その意味も分からず
佇んでいる

次の瞬間
その洞穴は崩れて出して
慌てて
滝の表側へと走り出た

そこには
さっきのイワナがいて
さあ
こちらへと
彼の背中へと乗り

水中を魚の速さで
駆け抜けた

ありがとう
助かったと
礼をすれば

そこは
何もない広場

あれは
幻だったのかと
夜空を見上げれば

月が大きな姿で
こちらへと落ちて来る

預言書が揃い
いよいよ
それが! かと
身構えたところで
目が覚めた

今朝もまた
不思議な夢からの生還だ

預言かあ
地球は大丈夫なのかなあ…










沖縄の友達とは
那覇で釣り道具屋を経営し
釣り客を案内する
船頭をもしている

時折
出掛ける沖縄では
その釣り船で
無人島へと案内してくれて
そこへと上陸し
楽しい釣りをさせてくれる

コロナ禍で
ご無沙汰してしまったから
そろそろ
出掛けてみようかな…