さっきから
隣で僕に
ちょっかいを出している
それは美しい娘

それを振り払いながらも
まんざらでもない 僕

ここは? と見れば
結婚式場のようで

これから
僕の結婚式らしく
仲間たちが集まって来た

それよりも
その隣の娘

僕に抱き付き
抱いて? なんて
微笑んでいる

困った!
僕はこれから
結婚する身

しかし
彼女が来ない

そして
あちらの親たちも来ない

どういうことだっけ? と
振り返ってみれば
僕の勝手な
一方的な通知だったらしい

そうだ
あちらの親たちに
どこの馬の骨だか分からん奴に
娘はやれない! なんて
払い除けられた

ならば
強行にと
彼女へ
逃避行しちまおうと
手紙を出したようで


その答えを待っている



待てど暮らせど
彼女は来ない

そうだ
無理があった

来るはずがない!

しかし
仲間たちは何も知らず
集まっている

どーする?

いっそ
この隣の娘にしちまえよ! なんて
耳元で悪魔が囁く

いや
それは出来ない! と
僕は振り払う

では
彼女の家まで
行ってみようか

いや
それもよそう

仕方なく
集まってくれた仲間たちに
カクカクシカジカと詫びると

隣で
ちょっかいを出していた娘が

やっぱり
あなたにする! って
突然
姿を変えて
彼女に変わった

驚いた僕は
なぜ? と問えば

あたしね
親たちに反対されて
半分 諦めたの

そしたら
そこへ妖精が現れて

あなた
そんなくらいで
諦めて良いの? と…

だって…

そしたら
私がそこへと
連れ出してあげる

そして
ちよっと姿を変えて
彼の様子を見てみたらどう?

そうね
そうしてみようかしら…

妖精はあたしを
それはそれは
美しい娘に変えてくれて
誘惑してみなさいよと…

来ないあなたを
待ち切れず
こちらを向いたら
あなたの負け

諦めなさい

それでも
来ないあなたを待っていたら
あなたの勝ち

結婚しなさい


仲間たちは
その光景を見て微笑んでくれて

ありがとうと
振り向けば
また彼女の姿がない

なぜだ? と叫んだところで
目が覚めた


45年も前
叶わなかった彼女が
今頃
夢に現れた

元氣かなあ と思ってみるが
もう
届かない…


いつか誰かが
夢は通い道 だと言ってたけれど

そう
現実の世では
叶わないそれを
お互いが想ったならば
夢の中でだけ… なんて