大人がね
大事な話がある時は
大抵 鰻屋ってことが多くて

でもね
気が付けば
しばらく鰻を食べてないから
大事な話はなかったみたい

それでも
昨今
その鰻が高価にもなって

そんなに払うのならば
違う選択肢があるよね なんて
ステーキになることばかり…



街で
それはそれは
綺麗な女性に声を掛けられて

もしや
逆ナンパ? なんて誘われて
入った鰻屋

並で結構! と言う僕に
せっかくだから
特上でもと その女性

ではと
ご馳走になれば
大事なお願いがあると言う

やっぱりか! と思ってみるが
ご馳走になった手前
断るわけには行かず

それは何でしょう? と
尋ねれば

あたしのフィアンセに… と言う

えっ? と驚くと

訳は今は言えないけれど
とにかく今だけ
そんなことでと…

すると
そこへ男が現れて

キミは? と問う

僕は
ちょいと迷いながらも
彼女の彼氏だと言う

すると
キミは彼女と
結婚するつもりはあるのか? と

これまた
いきなりだけれど
フィアンセに と言われたので
仕方なくも
そのつもりだ! と答えた

そうか
それならば
残念だが諦めよう と
その男はうつむいて
去って行った

するとまた
違う男が現れて
また
その繰り返し

更には
3人目も
4人目もと続き
10人もが同じセリフを吐いて
消えて行った

さて困った
僕は戸惑いながら
ではここでと…
失礼しようとすると

待って! と彼女

それよりも
あなた
このまま本当のフィアンセに
なって頂けないかしら…

驚いて振り返り
改めて見れば
それはそれは
とても美しい姿

一瞬 迷ったけれど
こんな美女
僕に釣り合うはずはない

更には
こんなシチュエーション
嘘に決まってる

答えることなく
ご馳走様と告げ
去ろうとすれば

突然
障子は空き

ドッキリカメラ! です
なんて押し寄せて来た

驚いたけれども
まあ
そんなことかと微笑んで
ではと
失礼すれば

その彼女が追って来て
あたし
あなたに
本当に惚れたみたい

だから
お願い
もう少し
一緒にいて? と

さて困った
耳元では
このまま やっちまえよ! と
悪魔が囁いている

でも
反対の耳元では
おい
お前がそんなに
モテるわけないだろう?

これもまた
ドッキリ! だよ と
天使が囁いている

さあ
どうする

さあさあ
どーする
どーーする? って
場面で
目が覚めた

あゝ
今朝もまた
不完全燃焼な夢…

やっぱり夢か
夢ならば
飛び込んでしまえば良かったのにと
苦笑いしながら
起きた



でも
不思議かな
どこからともなく
うな重の匂いが漂っていて…

今日の昼飯は
安い鰻屋を探して
うな丼にしようかな


そうそう

お隣さんは

駅前で鰻屋を経営していて


今年

その看板娘の

オバちゃんを失ってしまい

旦那さんはとても寂しそう


そろそろ

久々に

出掛けてみようかな