ここは
ビルの屋上らしい

遥か下を見れば
三越なる看板が見える
そうだ
日本橋の三越の屋上だ!

でもしかし
記憶では
ここは植物園のような場所

そして
神社があるはずなのに
見える光景は
まるで荒野のようだ

さてと思っていると
強い風が吹いて来て
その荒野は砂ぼこりとなり
前が見えなくなった

良く見れば
それは竜巻で
こちらへと近づいて来る

逃げねば! と思った瞬間
間に合わず
巻き込まれた

そのまま
上空へと連れ去られ
回転する身体に
誰かが
手を差し伸べてくれて

その手を掴み
強く握りしめて
引き寄せると

なんと
ドロシー

そうだ
オズだ
魔法使いだ!

舞い降りると
僕は案山子に
ワラ男の姿になっていて
隣りには ぱふがいる

おや?
確か
ここでは トトなはずで

ぱふの前の愛犬 トトは
ここから頂いた名前

そんなことよりも
ぱふに会えて
嬉しさのあまり
強く抱きしめた



ドロシーはと見れば
おや
ジュディーガーランドではなく

その娘の
ライザミネリだ!

なぜ? と問えば
母は
もう… と顔をしかめる

そうか
時は遥かに過ぎて
今は
もう21世紀


さてすれば
物語はどんな道へ? 


そこへ
それは美しい魔女が現れ
目の前の黄色い道を
辿りなさいと微笑んでいる

すると
直後
黒づくめの悪い魔女が現れ
反対側の
赤い道へと強要する

ぱふは
そんな魔女に吠えて
悪い魔女を脅している

魔女は
慌てて呪文を掛け
ぱふを連れ去ってしまった

僕は
手を伸ばしたけれど
届かない

ぱふを返して欲しければ
赤い道を歩いて行き
大王さまの城へと着いたら
その王冠を奪って来い! と
嫌な言葉を吐く

良い魔女は
それは危険だからダメよと
止めるけれども

僕は
それを振り切って
赤い道を行く

ドロシーは
仕方ないわね と
僕の後につく

さあ
冒険だ!

赤い道を歩いて行くと
猿と
キジとがいて
お供しますと言う

えっ? と思ってみれば
僕は
桃太郎の姿

ドロシーは
着物姿のお姫様のようだ

赤い道には
中山道と書かれている

目の前には関所があり
この先は
山道らしい

物騒な森だ
何か武器でも持たねばと
すれば
坊はすでに刀を差している

ドロシーは
いつのまにさか
関所で頼んだカゴに乗っている

僕らは
キジたちに先導され
その峠道へと入る

その峠の山中には
茶屋があって
立ち寄り
甘酒でもと頼むと

茶屋の娘が
あちらのご隠居さんからだと
差し入れを頂き

ご挨拶をと見れば
水戸黄門
スケさんカクさんの姿はなく
ひとり旅とのこと

ならば
ご一緒しましょうと
歩き出せば

ゴマのハエが現れ
カネを出せ! と脅して来た

こんな奴らに
負けるはずはないと
刀を抜き
バッタバッタと倒した

さすが
免許皆伝と褒めてくれたけれど
ここは
もしや
水戸黄門が
印籠を出せば
済んだのではないか? と
苦笑い

こりゃ
厄介になって来た
いや
面白くなって来た

そう思った瞬間に
目が覚めてしまった

なんでよ?
これからってとこじゃん! と
もう1度 目を閉じたけれど
もう
そこへは戻れず
今朝は不完全燃焼  笑