早くも
来年の手帳が書店に並び
今年もまた
選ぶことなく同じものをと
買い求めて来た
早速
そこへと書き写すのは
赤いペンでの
家族たちの誕生日と
青いペンでの
仲間たちの命日
それらを
ひとつひとつ書き込みながら
その
ひとりひとりの顔を浮かべ
あれから何年かと
楽しかったことだけを
振り返るばかり
その青いペンの文字は
いつしか
毎週にも増えてしまい
こんなにもかと
ペンを止める
彼らはあの日で
老いを止めて
あの日の姿のまま
ここにいる
僕は
世の中の流れのまま生きて
それ相応に老いた顔で
鏡を覗く
わずかに白い髪も混ざり
外遊びでも
一切 ケアせずに来た顔には
シミが増えて
まだまだ若いはずと
勝手に思っていた身体は
先週から
肩が悲鳴を挙げる始末
毎年毎年
どなたかが去って
絞めるネクタイは黒ばかり
時間は
有限そのもので
ぼんやり生きても
激しく生きても
皆
同じ速さで通り過ぎる
時はカネなりと
誰かが言ってたけれど
多めに持てば
ロクなことはなく
足りるだけあればと
思っても
わずかに足りないことばかり
あとどのくらい? と
自らに問うことが増えて
そろそろかと 思う日もあれば
いやいや
まだまだだと 背筋を伸ばす日も
またある
すべては
その日の体調次第…
時折
どうしても
伝えたいことがあれば
先立った彼らに
手紙を書いてみる
それは
届くはずなく
わずかな時間 ひとり納得したら
細かく ちぎりゴミ箱へと…

