振り返ることばかりが増えて
ここもまた
あの頃はと
読み返してみれば

なるほど
20年も前に書いた
若い頃の文字がある

ジプシー


物語は
更にそこから20年も前を
振り返ったものばかり

どうやら
若い頃のひと昔前とは
20年単位らしい

すると今
40年もが過ぎて
ふた昔前なようだ

すれば
そこへと登場する
あいつも
あいつも
もう届かないことばかり

時間の経つ
あまりの早さに
身震いなどしてみるが

その時間とやらは

更にその速さを増して
目の前を過ぎて行く

戻らない時間
戻らない仲間たち

いずれそれも
僕のところへも
訪れるのだろう

有り難いことに
多くの仲間たちに恵まれ
まあまあ楽しめたと思う

ならば
わずかでも
その誰かが
僕のことを
振り返ってくれたならばと
思いながら…


もう1度
会いたい誰かがいたら

会っておかねばならない

たとえそこに
あの頃の
わだかまりがあったとしても…

時間は待っては
くれないから…