あと5日で
渓流は半年間の禁漁となる

ならば
もう1度くらい
山奥の
更に奥で
ジタバタしたいのに

残念ながら
右肩の痛みは増して
竿を振れそうもない



五十肩は再発すると言うが
まさか
10年もが過ぎての
60をも越して
またこれに襲われるとは…

以前のそれは
あまりの激痛に
重症ですねと診断された

丸1年も苦しみ
何の前触れもなく
ある日
それが治った

今回もまた
突然の痛み

あの日と同じ痛みだから
きっと長引くのだろう

そしてこれは
どんな治療をしても
痛み止めを打っても
何の効果もないことも

もう分かっている

ただひたすら耐えて
時を待てば
ある時
突然 
何事もなかったかのように
治っている



さてすれば
もしや前回のは
バイクを降ろすが為で

今回のは
山登りか
それとも… なんて
思ってみるが 分からない

そんなことは考え過ぎで
単なる齢でしょ と
カミさんは笑うけれど

直前に
何度も止められた感は
僕にしか分からない



ゴール寸前
おい
ここで止めるのかよ? と
怒鳴ったこともあるが

抜いてゴールした者が
つまづいて倒れ
怪我を負った瞬間には

逆に
すまんね と呟いたこともある

守られていると思えば
有り難いけれども
それを止めるが為の
痛みには困った

でもきっと
それくらいせねば

このポンコツ男は
止められないと
知った上でのことなのだろう



先日もまた

片側2車線で
前方の赤信号
左の車線で停止した車の後に
止まるつもりが

止まる直前に
なんとなく
右の車線に移動した

その直後
後から来た
左車線のトラックが
ノーブレーキで突っ込んで来た

おかげで僕は無事だったが
左の車は飛ばされて
慌てての119番通報

挟まれていたら
大変だったと
心の中では
胸を撫で下ろしたけれど

それでも
すまんね という氣持ちにはなる


もちろん
一寸先の未来すら
分からないが

もしかすると
その一寸先を止めに来る
どなたかに守られているのかもと
思って感謝する



もしや

熊かな? と

ふと思ってみる


すれば

熊避けのスプレーを買えば

即座に治るのかな…


それとも

5日もすれば

禁漁となり

治るのかな…


いや

山登りもかな…


すれば

山が閉じれば

治るのかな…