庭のメダカたちの
水替えをしていると
その器の下から
飛び出て来た ゴキブリくん

慌て
手を上げたけれども

ちょいと待った

ここは
家の中ではないと

ならばその命
奪う必要もないよな なんて

カミさんに言えば
きっと叱られるだろうけれど

それは
ちょいとお釈迦さまの気分

やっとこさ
ここまで辿り着いた命

蚊のように
攻撃して来ないのならば

我が家から出て行って
そして
長生きせよと
見逃したい



それは
ガキの頃から
そんなだったけれど

特に
ぱふを失ってから
更に増した心

同じ星に
同じ時代に
同じ場所で暮らしている奇跡

しかも
僕らよりも
短命ならば
尚も
その命 守りたくもなる




昨今
水替えをすれば
残念ながら
命の尽きたメダカの姿もあって

彼らは
まさに
我が家 産まれ
我が家 育ち

長くとも
3度の四季をなんとか越して
子孫を残して
持ち時間を終える

すればその身体
次は花にと
花壇へと埋葬する

そんなことしか
出来ないけれど

そんなことしか
してあげられないけれど…